そうすると、試験に出ないような例えば人の目とか顔とかスキンシップとか、そっちはどんどん発達するわけですね。そういう子供にとってはマンガが面白くなっていくわけで、普通に書かれた本は読めなくなるし、読みたくないし嫌いになっていくのではないでしょうか。学校教育はほぼ全部間違っていると思います。学力低下と言いますけど、その原因は1歳の頃から始まっているんじゃないかなと思うのであります。
これを根本からどうすればいいかというと、お母さんが忙しいあるいはお父さんが忙しいなら、自分の声でテープに吹き込んだものを聞かせればいいのです。あるいは近所のだれかがボランティアになって、子供を集めて読み聞かせをするんです。僕らはそれで育ちましたから当たり前のことなんですけど、それをしてもらってない子供は可哀相だなと思っております。
牧野 ありがとうございます。今までの話し合いの中で、今後11回で話し合われるであろう、新聞で言うと大見出しの部分を申し上げたつもりでおります。このフォーラム全体に対してでも構いませんし、それから土佐さんの映像に関してお感じになったことでも結構ですけれども、会場にお越しの皆様に自由に発言していただきたいと思います。
聴衆 今後11回の中でぜひ何らかのヒントを皆様方からいただきたいと思っていることがあります。日下会長が先日大人は絶対に子供に口げんかで勝てないと言われまして、それは回路が違うからだそうです。我々は言葉でのリテラシーで、彼らは形のリテラシーから入っているので、情報の量も質も全く違いますし、瞬時に理解してしまう能力も全く違うわけで、したがって絶対子供に口げんかでは勝てないということなんです。そのことをもう少し拡大して考えてみると、子供が形から入って、そのリテラシーがマンガのリテラシーに発達して、それから動画、アニメーションのリテラシーに発達する。それからコンピュータ・グラフィックスに発達して、さっき土佐さんが出された人魚のような分身のキャラクター、即ち情報量が倍増しているもので考えるリテラシーに発達していくわけです。