日本財団 図書館


聴衆 これは人魚だから水を使っているわけですか。

 

土佐 そうです。

 

聴衆 ということは水は使わなくてもいいわけですね。

 

土佐 いえ、使うべきだと思います。ヒーリング的な要素も意図しましたので、水が必要だったんです。自分の分身の人魚に触れると人魚が近づいてきます。あと、触れると仮想的な感触でバイブレーション的な要素があったり、自分の心音を聞くこともできます。バイオ・フィードバック的な作用もあります。

どのような要素で人魚の動きを決めているかと言いますと、横軸のストレスとリラックスは心拍情報から取っています。縦軸の興味がある、ないは、お互いの桶の中での手の距離です。近づくと興味がある、遠いと興味がないと。いま映されているのは、お互いに関心がなくちょっとストレスがたまりぎみの状態を表しています。意図的にやや動物的に表現しているのですが、これはお互いに全然関心がなくて、お互い好き勝手なことをやっていますね。

 

聴衆 今日拝見したのはキャラクターが2つでしたが、理論的には幾つまで増やせるのでしょうか。

 

土佐 基本的な考え方としては、その人の分身として人魚が存在しているので、2人じゃなくても3人の人がいれば3人の分身がいるわけです。

 

聴衆 3人がおけの中に手を入れることができるのですね。

 

土佐 コミュニケーション状態が生まれます。

要するにさっきの要素軸というのは、意識の軸と無意識の軸で、意識の軸というのは手の動きなのです。お互いに興味度を高めようと思って2人で手を合わせてみても、その横の軸の無意識の軸の心拍数がきちんとそのようになっていなければ共鳴しないわけです。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION