人間というのは、経験と知識に基づいて直観的に飛躍を行うことができますけれども、コンピュータキャラクターの場合はそれがなかなか難しいです。
これは最近のバージョンで、感情認識だけではなく英語と日本語の音声認識を組み込みまして、人間の対話と同じように人が何をしゃべっているのか、人がどのようにしゃべっているのかという感情を同時に理解します。人間と同じように、言葉の意味がわからなかったときには、怒ったり笑ったり感情表現をします。この子供の声は音声合成で作っています。
次はコンピュータ詩人です。人間の声に含まれる感情と意味を理解して、人間と連歌のような形で詩をつくっていくことができます。
この2人が演じておりますのは、体は仮想世界に行ってまして映画の「マトリックス」に近いような状態なんですが。もっと技術的にスムースに行けば、あの世界は確実に実現されます。
もう少し人々の情緒的な情報をコンピュータに入れることができれば、もっともっとスムースに仮想世界の中でいろいろな人とコミュニケーションをとったり、今の形は映画という形をとったんですけれども、近いうちにそうなると思います。
最後の作品なんですが、コンピュータによる感情認識を今まで研究発表してきたんですが、もっと無意識情報をコンピュータに教えようということを意図に行っている作品をご紹介します。私たちの感情というのはすごく移り気で、秘められた感情、秘められた気分というものもがあるわけですね。それをどうやってコンピュータで認識するかということを考えた作品です。
試行錯誤の末の成功例なんですが、ここに出てくる人魚は、今、画面に写った2人の分身の位置付けです。無意識も含めた本当の感情をあらわす分身で、実際の人間2人のコミュニケーションを、本当はどのように彼らが感じているか、人魚が木の桶の中で表現するんです。ですから、例えば2人で話していても、内心相手のことをあまりよく思ってなければ人魚が喧嘩をしたりするシーンが現れます。