その中で私が専門に行っていることは、メディア・アート、インタラクティブ・アートというものです。これはどういうものかといいますと、メディアの特徴、コンピュータもメディアの一つととらえているんですけれども、そういったものをメディアの特徴をとらえて、それをアート的に展開をする分野です。
具体的には作品を見ていただいたほうがわかると思うんですが、今、お二人の先生のお話を聞いていまして、マンガというのは、メディア・アートに意外と近いなと思いました。なぜかと言いますと、いろいろなメディアに近づく力というか特性を持っているように思えたからです。メディア・アートも、別に芸術の範疇にはまらないと思っていまして、私自身は、最初、美術の中で現代の特徴の一つとしてメディア・アートというものがあるんだと思っていましたし、実際そういう捉え方をする人が多かったんですが、そういう作品を作ってみると、自分が考えていた以上にいろいろなところから引き合いがあって、予想以上にいろいろな形の仕事をする機会に恵まれました。しかも、それは日本だけじゃなくて、海外でもそうでしたし、いろいろなところで展覧会をしたり講演をしたりしてきました。
それでは具体的に作品を見ていきたいと思います。
(ビデオ上映中)
これはアルス・エレクトロニカというオーストリアで行われた展覧会の様子です。人の声の抑揚から感情を推理していろいろと泣いたり笑ったり答える知能映像です。今、低い声でしゃべったので泣いてしまいました。突然大きな音、声を入れるとこのように驚きます。人間で言うと本当に簡単なことなんですが、それをコンピュータを使ってやるとなると、自然に見せるための苦労が多いです。
人間とコンピュータの大きな違いの一つとしてまず直感力が挙げられます。