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これは、マンガもアニメーションも現象に対してあまりにも長く放置され過ぎてきた、つまり、社会現象としては非常に広範な場で活躍しているにもかかわらず、研究が追いついてこなかったということに起因するわけであります。今、やっとその現象を追いかけるようにして、大学もしくは研究者がマンガとかアニメーションというものを追いかけているようですが、一生懸命追いかけても、逃げ水のようにもっと先にマンガ、アニメーションがどんどん進んでいってしまうというのが現実であります。

小出さんがお話になった一方で、今、横におられる土佐さんは、同じアニメーション学会の中でたいへん興味のある作品を皆さんに披露されました。きょうは、アニメーション学会で発表されたのと同じものをここで皆さんにお見せして、後から皆さんの御感想も聞かせていただきたいと思います。これはマンガなのかアニメーションなのかゲームなのか、私がアニメーション学会の中で質問したのですが、アニメーションて何だろうかと考えているうちに何とも形容しがたいものがその先にできてしまうということが如実に表れています。土佐さんからいただいた名刺を拝見しますと「知能映像」というな言葉が出てきます。土佐さんには、どんなところでどんな研究をされていて、知能映像とは何なのかということから分かりやすくまずお話しいただいて、その後で作品を映していただきたいと思います。

 

土佐 ただいま御紹介にあずかりました土佐と申します。

私が勤めているところが、関西にある学園研究都市、つくばの関西版みたいなものなんですが、そこに一番最初にできた郵政省のATR知能映像通信研究所というところに勤めています。知能映像という言葉はよくわかりにくい言葉なんですが、英語で言ったほうがわかりやすく、メディアインテグレーション・イン・コミュニケーションラボラトリーになるんです。要するにお互いの人がコミュニケーションするためにメディアを構築するということになると思います。

 

 

 

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