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司会 皆様おはようございます。本日はお忙しいところをお集まりいただきましてありがとうございます。ただいまから東京財団国際フォーラム「ポップカルチャー(マンガ、アニメーション)のダイナミズム」を始めさせていただきます。本フォーラムでは、−ポップカルチャーが技術や学者に代って地球(Globe)を救う−というちょっとオーバーではありますが、副題を掲げております。

私ども東京財団では、日本の優れた点について情報を生産しそれらを内外に広く発信するという仕事をしております。そして、そうした日本の先進的な面について正当な評価をいただいて尊重してもらって、ひいては世界全体で社会の役に立ててもらうということを目的に事業をしているわけですが、なぜ今回マンガ、アニメーションというポップカルチャーを事業として選んだか。それから、なぜフォーラムの経過を見る前に、例えば国際・学生アニメフェスティバルを開催するとか、東大、芸大にアニメ学科を創設するだとか、マンガ博物館を設立しようとかいったような成果物をあらかじめ想定しているのでしょうかというようなことについて、つまり本企画の趣旨についてなのですが、簡単に説明させていただきたいと思います。

まず1つ目は、日本の文化娯楽産業の文化的・経済的価値をアピールすることであります。即ち、世界中で日本がいま最も競争力を持っている分野、それから最も成長力が期待される分野で、おそらく21世紀の基幹産業になるであろうと思われるのが、この文化娯楽産業の分野でありまして、マンガとかアニメーションに代表される分野でございます。加えまして、日本にはIM (インフォメーション・マーケット)、即ち市場をつくっていく力と創造力(クリエイティビティー)がありますので、いわゆるITもマネーも日本に集中することになりまして、第一次IT競争ではアメリカが圧勝しましたけれども、これから始まる、あるいは既に始まっている第二次IT競争では日本が圧勝することになっていくということでございます。したがって、この大事な産業をさらに振興するために、他の国に遅れをとることなく、人材や才能を発掘して育成していかなければならないという命題が含まれています。

 

 

 

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