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【事業上の留意点】

・現状では、採算上厳しい状態が続いており、事業の見直しが必要と思われる。

・高額なので、リピーターが少ない。クルージングというイメージはある意味で定着してきたと思われ、今後はいかに多くの層をターゲットにできるかが鍵になると思われる。

・特に、「レストラン」としてみた場合、同じレベルの料理なら市内の通常のフランス料理店の方が安く楽しめることになるため、競争力に欠ける。調理を船内ではなく基地施設の厨房で行っていることもコストアップにつながっている。

・発着港(博多ベイサイドプレイス)の位置が市内繁華街から離れているため、利用者が気軽にアクセスできない面もある。港周辺の魅力向上によってエリアの集客力を高めることが必要だろう。

・初期投資として、船を新造したため、この借入金負担が大きくなっている。

 

【今後の事業展開について】

・新たな航路の展開は考えていない。

・ターゲットを広げるため、高級イメージを維持しながら比較的安価で楽しめる企画を始めている。

 

【国・自治体等への要望事項】

・博多港全体での桟橋の再整備が必要。旅客ターミナルも分散しており、どこからどの船が出ているのかが分かりにくい。客船⇔貨物の船種別の集約化が求められている。

 

(3) C社

 

【事業概要】

・2隻の船(「ヴォイジャー」号(132t、定員200名)、「ダイアナ」号(52t、定員70名))を使い、関門海峡周遊航路とスペースワールド海上アクセスを運航している(スペースワールドは、新日鉄八幡工場の跡地につくられた、宇宙を主題としたテーマパーク)。

・使用港は門司港、下関港、小倉港、八幡スペースワールド桟橋。

・団体のチャーター利用も行っている。ただし、料理はケータリングなどを利用者自身で持ち込む形態。

 

【事業の動向】

・関門海峡周遊航路は利用者も多く好調。特に、夏休みなどは満員になることが多い。門司港周辺の観光地としての魅力向上が大きく貢献している。船の形状が面白いこと(土星を模した形状)も、話題性を高めている。

 

 

 

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