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600年から700年ぐらい、ムガール帝国の時代とサルナートの時代を足せば、それぐらいの期間があったのではないかと思います。そのようなことで、外国の文化にエクスポーズされていたことがあったわけですけれども、だからこそ、インドは非常に多様性に富んだことになっているわけであります。言葉だけでも1,800もあるといわれるわけです。カーストもあります。カーストなどでも、細かく分けてみれば、7万階層ぐらいになるということがいわれています。そういうことから、インドは本当に多様性に富んだ文化をもつわけです。

そういう中において、多様性を認めてきたというのがインドだと思うのです。そのために、デモクラシーを受け入れるときにも、割と寛大に受け入れることができたわけです。しかし、グローバル化というのをみてみますと、ある程度の生活の上での均一性というものを求められることがあるのだと思うのです。ある人たちは、消費・サービス中心の生活をしているでしょうし、あるところでは、全然そういうことに触れない生活もあるでしょう。全く近代化されていない社会で、ずっと生き長らえてきた人たちもいるわけでありまして、少数民族で石器時代の生活をしている部族もいるのです。そういう人たちの生活は、全然グローバル化の影響を受けていないので、生活も変わっていないわけです。グローバル化の中において、このような人たちが、だんだんと絶滅の危機に瀕するということが、危険な部分ではないかと思うのです。

もう1つの問題として、先ほど、言語の問題がありましたので、これも指摘しておきたい点です。つまり、言語という言葉は2つの意味で使うことができるのではないかと思います。まず、我々の友人などが使っている言葉という意味合いで、コミュニケーションの言語、そして文化の言語というものがあると思うのです。もう一つは、コミュニケーションのスタイルというものがあると思うわけです。これは本当に翻訳するのが難しいのではないかと思います。理解することも難しい。そして、吸収するのも難しいのではないかと思います。

例えば、ハワイの日系アメリカ人がいたといたしまして、その人がハワイ大学ですばらしい日本語を勉強してきたとします。そして、日本に来たとします。そうすると、通常、日本の人たちは、日本の社会にしっくり溶け込むだろうと思うでしょう。しかし、そういうことは現実にはないわけです。というのは、彼にとっては、歴史から出てきた日本人という感じで日本を見るわけでしょうし、皆様方からみれば、やはり何かちょっと変わった日本人という感じに見られるのだと思うのです。そうなりますと、そこでコミュニケーションしようとするときに、何かスムーズにいかない部分が出てくるわけです。そこで、カルチャーのスタイルの中に、同じものであっても、障壁ができてしまうということもあるわけです。

ですから、言語の場合には特にそうなのですが、例えば詩というのは、1つの言葉から別の言葉に翻訳することが非常に難しいといった人がいますけれども、そのようなものではないかと思います。

 

 

 

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