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地元からのそういった反応は、非常に速やかに押し寄せてくるものです。アメリカの大使館に対する爆弾事件とアフガニスタンからの攻撃、サウジアラビアにおけるアメリカ関係施設に対しての攻撃、ナイロビの大使館爆破事件。そして、一番新しい例といたしましては、ギリシアにおいてのイギリスの大使館付の武官が、地元グループによって殺害されました。こうして、政治的な優位な力のもとに置かれていくということに対する地元の反応は、こういった極端な形となってあらわれてきます。一方、アメリカの場合の問題は何かといえば、アメリカの国内における政策は、非常に奇妙なやり方で国内問題に対応しています。ご存じのように、アメリカ国民の中には非常に貧しい人たちがたくさんいます。そして、アメリカの都市の中には、生活していくにはあまりよくないというところも多々あります。アメリカの中には、まだ飢えている人も多くいるといわれています。

その中で、アメリカにおけるエリートや中産階級はどうやってこの問題に対応するかといえば、レーガン大統領のすばらしき言葉からいけば、「穏健なる放棄」―すなわち、見なかったふり、見て見ぬふりをするということが、アメリカではうまくいくのです。少なくとも人口の特定のレベルの中では、平等であるという神話とか、開かれた社会という神話は守られていきます。そして、何が特に際立っているかといえば、貧富の間の格差についてのアメリカ国内におけるすさまじいまでの寛大なる受けとめ方です。このアメリカという国が、どこまですさまじいまでのこういった違いや格差を、富と影響力の段階において受け入れることができると考えているのかということをつきつめていきますと、実は、アメリカは同じゲームを展開させるのではないでしょうか。特定の国は支えられ、ほかの国については、これは放置されたままであるということがいえます。アメリカの政策が支持される限りは、すべては大丈夫。けれども、それが支持されなかったならば、問題が出てきます。

さて、これが日本にとって何を意味するかといいますと、日本はこれまでグローバリゼーションの幾つかの側面について、かなり長年にわたって取り組まざるを得ませんでした。まず、第1の例としては、ペリー提督率いる黒船が来航し、日本に開国を迫ったときです。日本はペリーによって開国を迫られたときから、さまざまな事態に直面してきました。第2次世界大戦もその一つですが、今、日本は経済的な奇跡を実現させた国といわれており、先進国の仲間としての地位を、そして、世界金融の一員としての立場も、今は明確になっています。その結果、特別の責任も生じているのではないかと思います。資本と人が世界規模で移動しているということがグローバリゼーションの2つの側面です。自由な資本の移動と、比較的不自由になっている人口の移動とが現在みられている。

こういう中で、日本は何をすべきかと考えていきますと、日本はみずからの目的、自分の安全のためには、ユーラシアの空間の中においての主要国との間の接触をもっていくべきです。インド、イラン、西アジア、トルコ、エジプトの南部、北の方ではロシア、バルカン地域などというところが挙げられます。EUにおける日本による経済的な浸透に対しての抵抗があるのかはご存じのとおりですけれども、日本は何らかの形で効果的な文化政策を講じまして、今、私たちが目撃している抵抗を克服していくことが必要です。

 

 

 

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