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現在、何がグローバリゼーションかの分析でかなり混乱しています。この中で、もうちょっと決定的でないファジーなやり方でもって、ウィン・ウィン・シチュエーションをつくるべきだと考えます。グローバリティーとローカリズムが発展していって、これが現在のコントロールされないグローバリゼーションに対するカウンター・ストラテジーとなることができるということをお話ししたいと思います。

2〜3の問題点、特に東南アジアに関係する問題点を指摘いたします。

既に開発を始めた国、特にシンガポールに関してですが、東南アジアでコントロールされていない資本の流れが起こって、それが経済にどういうことをなし得るのか。これがアジアの経済危機ということで、我々が目撃したばかりであります。皆様、よくご存じでいらっしゃるわけです。アジア経済危機について語るとき、東南アジア諸国がどのようにしてこれに対応しているのか、どのようにこの問題の解決をしようとしているのかについて、幾つかの問題に焦点を当ててみると、金融や製造業など企業の対応振りについてはよく取り上げられており、議論されています。一方、このアジア経済危機の打撃を受けた国々において、貧しい人や周辺の人が最もひどく影響を受けました。そういう人々はどのぐらいの打撃を受けているのでしょうか。特に、インドネシアやタイにおいて、その影響はどうなのでしょうか。韓国はインドネシアやタイほどではありませんが、やはり似た問題を抱えています。これが第一の問題提起です。

二番目に、IMFと世界銀行が非常に役に立つ「よき統治」(グッド・ガバナンス)のスタンダードをつくりました。でも、このような「よき統治」による行為というものが、本当はこの危機の原因なのではないかということを考えるべきです。このような「よき統治」を達成していなかった国では経済発展を長く続けていくことができるのかということになります。歴史を振り返りますと、主要な先進国でさえも、やっと最近の50年、100年にこうしたことを確立したばかりです。よき統治によって危機に抵抗するということよりも、それを開発の中で必要なものとしてみるのか、方程式の項なのかどうかということです。IMFの方式を受け入れた国では、ローカルな近代的な企業間で競争が生じる。その結果はというと、外国の企業がローカルの企業を安く買収できるということになってしまうわけです。それによって、ローカル企業においてリストラ、ダウンサイジングが行われ、失業者が増加し、社会構造からみてマイナスの影響が生じたという面があります。

最後に、グローバル化の影響によって、非常に多数の貧しい人、スキルをもたない人々が周辺的な立場におかれています。これがさらに悪化する場合には、どのようにして安定を保ち平等を達成するのかという問題があります。こういう問題を提起して、どのようにして対応するべきかを討論したいと思っております。

 

 

 

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