本日の会合は、まず、青木保先生から口火を切っていただき、その後、海外からの4名の専門家にお話を伺うことにいたします。
青木先生につきましては、今さらご紹介するまでもなく、内外において極めて著名な文化人類学の専門の先生でいらっしゃいます。東京大学で文化人類学を専攻された後、長い間大阪大学で教鞭をとられ、その後東京大学先端科学技術研究センター教授、そして皆様ご存知のとおり昨年からは政策研究大学院大学で教えておられます。また、青木先生は、長年にわたり文化人類学的なフィールドワークに携わっておられて、数々の著書を世に問うておられます。例えば、1985年にはサントリーの学芸賞を受賞され、1990年には吉野作造賞を受賞されております。さらに、平成12年秋の叙勲において、紫綬褒章を受章されました。この席をおかりして、お祝いを申し上げたいと思います。
海外からの専門家の方々について、まず最初に、シンガポールのウィリアム・リム先生にスピーチをお願いいたします。リム先生は、シンガポールの建築学、都市計画の権威であり、シンガポールを中心とした東南アジアのグローバリゼーションの問題についてお話を伺いたいと思います。リム先生は、ハーバード大学大学院を卒業された後に、シンガポールの都市計画に携わっておられ、現在のシンガポールの都市の美観の維持、形成に大きな力を発揮してこられました。現在は、シンガポールのヘリテージ・ソサエティーの代表として、シンガポールの歴史的建造物の維持に大変な力を注いでおられる方でございます。
2番目にお話をいただきますのは、ドイツからのハンス・ゼウフナー教授です。同教授は、ドイツのコンスタンツ大学で社会学の教鞭をとっておられ、また、アメリカのカリフォルニア大学等でも教えておられます。昨年のイタリアのベラージオにおける「文化とグローバリゼーション」の国際会議にも出席されていますが、この会議が昨年来(財)世界平和研究所で研究を行なっている「グローバリゼーションに伴う制度と文化の変容」の基礎となったものです。ゼウフナー教授からは、「ドイツのグローバリゼーションと他のEU諸国及び米国との比較」というテーマでお話を伺いたいと思っております。
3番目のスピーカーは、インドからのアシス・ナンディ教授です。ナンディ教授は、デリーの開発研究所の所長で社会心理学がご専門です。インドを中心とした南アジアのグローバリゼーションの問題についてお話を伺うことができればと思っています。
4番目はヌール・ヤルマン教授です。同教授は、ケンブリッジ大学で人類学の博士号をとられておられますが、長い間アメリカのハーバード大学で社会人類学の教授として活躍されています。
それでは、さっそく、青木先生から口火を切っていただきたいと思います。
○青木 ご紹介にあずかりました青木でございます。
先ほどの大河原理事長のご紹介にありました「グローバリゼーションに伴う制度と文化の変容」の研究は、政策研究大学院大学副学長であった佐藤誠三郎先生が主宰されていたのですが、昨年、突然お亡くなりになったため、私が後任として研究会を行なってきた次第です。