○公文 あえて言いますと、例えば、さっきの携帯などは、これはほうっておいても進むと思うのですけれども、私はやはり広帯域のインフラをもっと安い値段で提供可能のようにすることは必要だと思います。坂村先生も多分、ご自分がやはり携帯電話だけではなくて、今のPCで広帯域のネットワークのインターネットを、論文の仕事をなさるのにお使いだと思うのです。私も毎日使っているのですけれども、あれはやはり遅くて、同じものをとるのに5分かかるのか、2分で済むのかというと能率が全然違うのです。ですから、そういう点では、やはりインフラはきちんとしたものをもっていないと、本当に勝負にならないというか、全く時間を空費させられるから、ここはどうしてもやってもらいたい。
○福川 さっき坂村先生から、韓国の対比のお話があったので、その点、ちょっと私の意見を申し上げたいと思いますが、技術的潜在力が日本の方が高いというのは、全く私も異存がございません。そのとおりだと思います。よくインターネットの普及率で韓国の方が日本を追い抜いたということが象徴的に新聞でいわれている。それは、確かに事実ですし、それは韓国の場合は政府主導でやっていますから、経済的に発展の潜在力はそんなに私も高くないと思っております。しかし、インフラが進んでいるというのは、発展する可能性があることは事実だと思います。
今、私がちょっと韓国で注目している、1つは語学力でありますが、コンピュータネットワークがグローバル化とすれば、語学力というのは非常に重要なことであります。もちろん、日本的な発展というのは、私も追求すべきだと思いますが、いいところは欧米をまねたらいいと思います。韓国も実は規制緩和等で非常に進んでいる面があります。
1つは、知的サービスです。例えば、日本ですと、弁護士とか、計理士だとか、税理士だとか、コンサルタントだとか、投資顧問というのは、今みんなそれぞれ縦型に割れているわけですが、既に韓国では一括、ワンストップサービスで、全部まとめて1つの会社でやってくれるというサービス会社が今どんどん伸びています。これからそういう知的サービスというのは、ニーズが非常に高いと思いますが、日本ですと、どうしたって弁護士は弁理士をばかにしている。弁理士は弁護士のところに行かない。税理士は全く違ったところでやっているということになっていますので、そういう知的なサービスが十分でない。