○モデレーター 防衛特許みたいで、向こうが坂村先生と同じものをつくって、坂村先生に課金をするおそれがある。
○坂村 それはたまりませんね。
○モデレーター ほかにいかがでしょうか。
○質問者2 昔、防衛研究所にいた者ですが、先程セキュリティーのご質問がありましたが、私はナショナルセキュリティーのことでお伺いしたいと思います。
先ほどDARPAと一般企業とのお話がありましたが、クリントンになってからDARPAの軍事機密が民間に流れていったから、IT革命があったと私は思っているのですが、そういう認識は日本にありません。ですから、IT革命になると、今の日米安保も変わらざるを得ないと思います。私はアメリカでいろいろな研究機関に行ってゲーミングのソフトなどをみせてもらいました。アメリカの研究機関というか、教育機関で今やっているゲーミングは、みんなIT革命をもととした戦略情報第一です。戦略情報コントロールをして、湾岸戦争よりももっと進歩したものをやっております。そういう時代の日米安保強化と盛んにいいますけれども、まだみせてくれませんが、本当は中身がものすごくアメリカでは変わっているはずです。ところが、今日本で論議されている日米安保、日米同盟は、まだまだ朝鮮戦争のころの論議だと思います。こういうときの、IT革命時代の日米安保とか、国家安全保障というのは、当然変わるべきですが、自衛隊の次期防などは、せいぜいハッカー防止ぐらいのことしか考えていないと思うのですが、IT革命時代の日本の安全保障というのはどのように考えるべきでしょうか。
○坂村 ご存じだと思いますけれども、米国はナショナル・セキュリティー・エージェンシーを初めとして、国家情報安全局みたいなものがあるわけです。日本はそういうものはないです。何でないのだかよくわからないのですけれども、要するに情報が世界を動かしているということに対しての認識が薄いのではないでしょうか。それと何か悪い方向にとらえてしまうからだと思うのです。大体、日本がよくないと思うのは、戦略というと、戦争だと思ってしまうのではないでしょうか。