その意味では、ユニコードというのは非常に問題でして、アメリカは経済戦略の1つとして、アジアに物を売るために、中国と韓国と日本と台湾の字形の差を表現できないようなコード体系を採用し、そういうコンピュータを広めようとしています。これに対しては、ここにはいろいろな方がいらっしゃるので、コンピュータの中で漢字が扱えるようにすべきだということを、絶対にやっていただきたいと私は思っています。実際、アメリカのコンピュータがたくさん導入されていますが、充分に漢字が出ません。これはやはり重要な問題で、トロンではその解決をやっていますので、ぜひその御理解と御協力はお願いしたいと思います。
最後にこれをいいたいのですが、アメリカはやはり、いろいろなことをやっていまして、例えばBtoC、例えば「50ドルルール」と、消費者保護の法律がちゃんとあるとか、何か事故が起きてもちゃんとそういうことに対応しています。インターネットというのは詐欺も多いし、事故も多いのです。これは何でもありの世界になっていますから、変なものもどんどん出てくるし、そういうことが瞬間でできてしまいますから、それに対して、法律を作るとかプライバシーの保護やセキュリティーを講ずるとか、そういうことをもっとやらないといけません。構造改善を引っ張る前にやった方がいいことが、もっとたくさんあります。中でも文字の問題が一番大きいと私は思うのですが、これは、情報流通をよくするとなったら、やはり文字が重要だと思いますので、そういうところの御理解・御支援をお願いしたいと思います。
以上です。
○モデレーター 坂村先生、ありがとうございました。坂村先生らしく、ややナショナリスティックに聞こえるのですけれども、トロンの実力に裏打ちされた、やはり技術というのが日本はまだまだ強いのだということを主張されたのだと思います。
公文先生は、歴史的な産業革命の中で日本の位置づけをどうするべきか、福川先生は国際的な比較から企業をどのように変えていかなければいけないか、それから、坂村先生は、技術面からいっても、日本はまだまだ元気があるし、今までやっているITというのは、ややアメリカ的であって、やはり技術力の強い日本として、あるいは日本人のもっている漢字の力、彼は超漢字というので、今非常に有名になっていますけれども、その漢字力というものも含めて、やはりシステムの中に入れなければいけないのではないか。そのようなそれぞれ先生方のご主張がございました。