世界の中でみると、これはあるのです。何でそういうことを忘れてしまって、世界にばかり売りにいかなければならないのか、よくわからないですよね。それは、もちろん大事なこともあるのですけれども、調べてみるとわかりますが、10売り上げがあったら、貿易に頼っているのはせいぜい半分以下です。ですから、かなり国内生産でやっているわけです。ビデオゲームがそうであって、日本は一番ビデオゲームを世界で売っているのですけれども、一番消費しているのも日本なのです。アメリカよりも多い。
ですから、やはり異なるアプローチというのが重要だと思うのです。例えば、米国は常時接続高速回線にいくのだったら、日本はウェアブルで身につけて、ユビキタスを追求するとか、欧州は双方向デジタルテレビと携帯でやるとかです。やはり世界の三大経済圏が違うことを試しながら、みんなにそのいいところは渡してあげて、何か協調的に分散しながら世界をつくっていくということをしないと、みんなアメリカに追いつくことをするのは、変ですよね。また、こういうハイテクの世界というのは、最後は一緒になってしまうのです。例えば、さっきも言いましたように、私のトロンがいいとなったら、アメリカでもこれをどんどんやるという風になっていってしまうわけです。向こうの方がいいといったら、こっちにもってくればいいわけで、そういう異なるアプローチがとれる国日本だということを世界に示すべきではないかと私は思います。
将来は、ブロードバンド化が主流というのは確実なのですけれども、これはほうっておいてもそうなるのですが、今の日本のインターネット関係で重要なのは、どうして高速にしなければいけないのかという説明がうまくつかないことです。なぜブロードバンドにし、何を送るのですかといったときに、漫画を送る位しか答がなくインターネットを開いたときに、何か変なオープニングのアニメーションというのですか、ホームページで、何かおどかすような変な音と画像が出てくるのがあるけれども、これはほとんど意味がないのです。本当に情報を提供しているところなどというのは余計な装飾はないです。必要なデータが出てくるようにしなければいけないのに、そういうところには気を使わないで、何かどうでもいいような飾りつけみたいなところのためにブロードバンド化があるとしたら、これはすごくおかしいと思います。
また、ITというのは情報流通の促進の手段なので、やはり漢字はちゃんと出すようにしてほしいということを私は最後に言いたいと思います。私がこれをずっと主張しているのは、日本では英語も重要なのですが、やはり日本の文字が全部出ないと困ると思うからです。