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そういう意味で、逆オークションという普通のオークションの逆をやって、一世を風靡したのですけれども、全然だめです。さっきの話ではないですけれども、全然だめだと日本の株式に上場してきますから。いろいろ言われると困るので、ここはとは言いませんが、そういうところは、今、株価が2ドル台です。ですから、こういうのもほとんどうまくいかないのです。

要するに、何が言いたいかというと、みなさん同じ意見だと思いますけれども、何も日本は、米国流のインターネットのモデルを踏襲する必要はないのです。アメリカに追いつき、追い越せという考えを、日本はいい加減やめた方がいいと私は思います。やはり、日本は独自の道を行くべきであって、独自の道を行くことができるのが唯一日本なのです。世界第2の経済大国なのですから、日本はそれができるのに、何でアメリカと同じことをやらなければいけないのか。ですから、私が今の政府のやっていることで一番嫌なのは、ITをやるのはいいのですけれども、まずスローガンが気にくわない。5年間でアメリカに追いつき、追い越せと、何で今ごろ追いついて、追い越さなければいけないのか。そういう意味でいったらばかかという感じですよね。ですから、そういうのが非常におかしい。例えば携帯電話のビジネスモデルとか、ビデオゲームのビジネスモデルというのは、世界に先駆けて日本がつくったものなのです。ですから、何でそういうところをもっとちゃんとやらないのか。何度も言っていますように、これだけモバイルでウェアブルで、例えば電子メールにしたって、パソコンでブロードバンドでどうするのですか。自分の家に帰ってみなければいけないのですよ。会社に行ってみなければいけないのですよ。これだったら、いつでもみられるのです。これは身につけているわけですから。こっちの方がはるかに進んでいるのです。アメリカ人も本当はこれをやりたい。だけれども、こんなに小さな電話をつくれないのです。これは、世界で最もコンパクトで高性能な電話機ですから、それはトロンを使っているからなのです(笑声)。こういう電話はつくれない。

あと家庭用のゲーム機もそうなのですけれども、これも原価ぎりぎりのゲーム機で、日本マーケットだけで1兆円の売上があるのです。米国マーケットで60億ドルなのです。ですから、逆にいうと、私、思うのですけれども、グローバルスタンダードという言葉も私は大嫌いで、何でアメリカのあれに合わせなければいけないのかがおかしくてたまりません。日本も確かに世界でいろいろ商売している会社もありますけれども、やはり日本の国内経済が強いのです。

 

 

 

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