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日本だと、何か変なことをやって落ち込むと、ぐっと落ち込んで、いつまでたっても修正がいかないのが、いきなり1週間寝たら忘れたという感じで、すぐ立ち直るというのがアメリカで、修正も早い。

あと、アメリカは多様性があるので、全部はダウンしない。カリフォルニアはめちゃめちゃなのですが、電力自由化というのは当たり前なのですけれども、州ごとにやっているわけで、別にアメリカ全部がやっているわけではないのです。そうなると、カリフォルニア州の中でも、ロサンゼルスはまだ自由化していません。とはどういうことになるかというと、1時間も離れたロサンゼルスに行けば、自由化していないから、安定電力供給を受けられているわけです。そうすると、さーっとシリコンバレーの企業や人間が逃げてしまう。それだけの話なのです。ですから、すごく広いし、いろいろなことができて、やはり、電力がなくなってつぶれることがあってもいい国かなということも思います。

次に韓国はどうなるかといいますと、私はよく、日本はアジアでおくれていると聞きますが、そんなの絶対、嘘でしょう。私も世界、いろいろな国へどんどん行きますし、韓国にも行きますけれども、あっちのどこが進んでいるのという感じです。私、コンピュータサイエンスの東京大学の教授をやっていて言っているので、疑うなら疑っていただいてもいいのですけれども、私の目でみた限りで日本がおくれているということはないです。だから、日本がアジアの中で著しくおくれるというのは、おかしいです。日本のGDPは世界第2で、世界第2の経済大国であって、これだけいろいろなことをやっている国で、どこがおくれているのか聞きたい。おくれているという理由を聞かせて欲しい。

では、韓国がどうなっているかといいますと、米国モデルを踏襲しまして、ここは完璧にルックアメリカです。日本もかなりルックアメリカなのですけれども、もっとルックアメリカです。私もソウル大学など、向こうの大学で講演したり、いろいろなことをやって、最近は割と韓国に行くことが多いのですけれども、みていますと、日本よりも韓国の方がもっとアメリカをみています。そうなると、米国がブロードバンドをやっているというと、韓国もやろうといって、いち早く高速ネットワークを整備したとかは嘘ではないです。DSLの人数が多いとかもそういうことなのです。やはり、何でこういうことになったかというと、1つはアジア通貨危機です。PCルームという、要するに、個人で電話をもっている人が少ないですから、どうしても、高速のそういう回線を引っ張って、PC房といわれている、いわゆる喫茶店みたいなところにインターネットにつながるパソコンみたいのが置いてあって、そこにいるのです。

 

 

 

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