それから携帯電話です。これも世界で出ている携帯電話の 100%近く、ちょっと違うのも入っているのですけれども、私のトロンというコンピュータでコントロールされております。それとか、デジタルカメラとかビデオカメラ関係も中はトロンです。ファクス、レーザープリンターなどもそうです。そういう状況にありまして、最近では日本だけではなくて、アメリカはもうかると思えば、どういう問題でも参入してきますので、私のトロンというOSそのものを販売する会社が米国に10社以上あります。米国にある世界最大のコンピュータの学会から私の書いた仕様書が出ているぐらいで、こうした動きがどんどんでてきております。
どうしてこういうことになってきたかというと、90年代というのは、パーソナルコンピュータの時代だったのですが、もうパーソナルコンピュータは終わりということが世界的に、コンピュータサイエンスの世界ではそうなっていまして、非PCといった、これは言い方がややおかしいのですけれども、パーソナルコンピュータでないものに、アメリカ、ヨーロッパをはじめ、世界中がシフトし始めています。
それともう1つ、非常に重要なのですが、こういうものをどうやってつくっていくかといったときに、今のITというのは、結局マイクロソフトのためにやっているようなものになっていますから、そういうことは、やはりアメリカですら国を滅ぼすということになっているわけであって、クローズアーキテクチャーという1社独占でそういう基盤のところをやるのではなくて、オープンな仕様にもっていくべきだというのが、世界的な流れです。最近、アメリカで政権がかわったので、少し違ってくるかもしれませんけれども、そうはいっても、米国では、マイクロソフトが独占禁止法で米国政府の司法省から、かなり長い間、裁判をやっており、1回目の裁判で有罪が出ていますから、分割するか何かしろということは決定しているのです。今度、クリントン、ゴアからブッシュになってしまったので、今IT関係を経済的に悪いときに何もそこまでやらなくてもという話も出ていて、どうなるかはちょっと読めないこともあるのですが、やはり、これは世界的な傾向です。
そういう意味で、トロンは両方ともこれをやっているわけです。また、欧米では、パソコンの伸び悩みというのが今、非常に大きくて、インテルを初めとして、PCメーカーは軒並み下方修正で、株価はものすごく落ちています。この辺の株は、もうばんばか落っこちていまして、米国でパーソナルコンピュータの世帯普及率というのは52%で飽和状況で、これが今、落ち始めていますから、既に今月もどんどん落ちています。