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学際的なものが非常に重要であるということで、非常に変わった、東京大学としては珍しい分離融合を本当にやっていまして、教員の編成でも、半分が文化系で、半分が理科系となっています。最近、情報関係で、再教育が非常に重要であるということで、私たちの大学院は、最年長で今、50近い方もとっています。

そのために、入学試験の方法も変えなければだめでして、当然、今、私が一番大事だと思うのは、学生の数が減ってくるといって、だから、大学がつぶれるなどというばかな話が出ているのですけれども、これを再教育機関に変えればいいのです。もっと新しいことをやらなければいけないわけです。日本ぐらい、1回大学を出たら、はい、おしまいという国は珍しいと思うのです。ほかの国ですと、卒業した後もまた大学に入れる。そのためには、入学試験まで含めて変えないと、とてもではないけれども、20歳ぐらいの人が受ける試験と同じものを受けろといったら入れないですから、それは当然なのですけれども。その辺がやはり重要だということで、私たち、入試の方法も変えまして、入りやすくするようにしたり、会社に勤めていても入ってもいいとか。ただし、私たち東大の場合には、夜授業をするなどということはしませんから、会社がいいといえば、昼間来てくれて、会社に勤めているからといって入学させないということはないということをやっているわけです。あと、女性の数が半分ぐらいいるとか、東大としては、割と画期的なことを少し遅めにやったということなのです。世界的には、その辺のことはどんどん行われています。

もう1つ、先ほどご紹介があった中で、トロンという、私、日本の国の中で、やはりコンピュータみたいなインフラは、もちろん世界のいいものを使うのもいいのですけれども、やはり電子立国としては、我が国で独自コンピュータをやるべきであるという強い信念を20年ほど前からもっています。どうしてこの独自コンピュータが重要かということも後でご説明しますけれども、こういうプロジェクトをやっておりましたが、政治的な理由とかいろいろなことがありまして、国が守ってくれなかったことがあったので、非常に苦戦もしました。おかげさまで最近では、また非常に世界的にも有名なプロジェクトになってきています。

その一番大きな理由は、何に使っているのだといいますと、自動車はトロンで制御をしております。

 

 

 

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