政治、社会的なものにも触れたかったのですが、時間がございませんので、もしあれば、また後ほど触れることにいたしまして、とりあえず私の報告は以上で終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
○モデレーター 福川先生、どうもありがとうございました。まず、福川先生は、最初にデータをおみせして、やはり、日本とほかの国際比較をすると、確かに日本はアジアの国々にも負けている面がある。とりわけ、xDSLという新しいメタルを使ったブロードバンドは、アジアの方がやや進んでいるということは、我々にとってもやや驚異であるわけです。日本はアメリカの情報革命の段階からいうと、これからまだ第1期である。しかしながら、日本の企業体質をみると、まだまだ日本は強いところがあって、そこをIジャパンという形で新しく発想の展開をしていくことによって、日本という企業集団をもっている大きな国というのは、まだまだ回復の余地があるというメッセージをいわれたのだと思います。私はお聞きしていて非常に感銘を受けたのは、アメリカのプロダクティビティーというのは、トータルプロダクティビティーである。日本はどちらかというと、非常に部分的な生産性を高める。つまり、組織的な全体を高めるということにはなっていない。やはりアメリカは、アーサー・シュレジンガー・ジュニアがいっていますように、実験国家であるために、実験を自由にやらせる。日本も明治以来、結構実験をたくさんやってきたように思うのですけれども、だんだんそういう実験をしなくなってきている。そういうご提言があったと思います。
それでは、若手のホープとして坂村先生、どうぞよろしくお願いいたします。
○坂村 ご紹介いただきました、坂村です。
先ほど、ご紹介のときに、私、東京大学の情報学環というところにいますと。これは、去年の4月から、東京大学としてはちょっと遅かったのですけれども、情報関係を再編成しようという話になりまして、今、東京大学は大学院を中心に改革を進めているのですが、情報関係のものを再編成することを今、やっております。どうして環とついているかというと、この環というのは、いわゆるリングなのですけれども、昔ですと、東京大学大学院理学系研究科といった、研究科に相当するところです。