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そのことは、もし仮に失敗した場合には、その人はどこかほかの会社に行ってもらうわけですけれども、行ってもらうときに、そういった能力があるようにしておいてあげようということであります。人を引きつけるために、もちろんストックオプションなどで引きつけるというところもありますが、最近は有能な人たちが働きやすい職場をどうつくるかというときに、今、そういう戦略を取り始めているわけであります。そのために、やっと日本でもこの頃いわれるようになりましたけれども、360度評価というものをして、360度、上からみた人の評価、横からみた人の評価、同僚からみた人の評価、下からみた人の評価。それに第三者のコンサルティング会社からみた評価を加えて、どこにその人の能力の問題があるかということをきちんとインタビューで明確にして本人に伝達をして、1年間たって、それをもう1回再評価する。その際に、もし改善が進んでいれば、それなりに待遇も評価をし、新しい職場につけるということで、能力開発と人事配置と評価というものを一体化しているわけであります。

エンプロイメンタビリティーというのは、要するにエンプロイメントをつくる能力ということですから、企業としてはどんどん発展をしていく、新しい雇用を生み出すような、新しいものをつくっていこうということでございます。そのために技術の開発をしていこうということであります。

最後に1つ、産学協同のことを申し上げてみたいと思いますが、今、アメリカではシリコンバレーにしても、バージニア州にしても、クラスター的開発というものが進んでおります。房のような形で進んでいくわけでありますが、これはそういうことで、非常にシナジー効果が出てくる、相乗効果が出てくるということで、ベンチャービジネスなどが集まっていくという形になりますが、企業がよく立地をするときに関心があるのは、いい大学がそこにあるかないかというところであります。それが大学がコアになって、クラスター的な発展につながっていくわけであります。したがって、企業は非常にいい大学を求めることになります。

 

 

 

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