次に最近の感想を申し述べてみたいと思いますが、私、先週もちょっとアメリカに行ってまいりましたが、今の状況をちょっと申し上げてみますと、先ほど公文先生がおっしゃったように、ドットコム系の会社がかなり株の下落等で、非常にバブルがはけてきたという点に不安があるように思うのは、確かに事実でございます。
私は、アメリカの展開は3段階で進んできたと思っております。これはごく最近の、今、IT革命といわれるものをみますと、1つは1984年のAT&Tの分割に始まりまして、それから約10年間の間に通信料金が3分の1になって、電話会社の収入が倍になるというように非常に合理化が進んで、通信が進んだ時期がIT革命の第1期と私は理解をしております。そして、1996年2月に新通信法ができまして、放送と通信の一体化が図られて、フリー・フォー・オールということで、だれでもアクセスできるという大変な自由化が展開されまして、そして、通信会社だけでなくて、情報が非常に伸びるという形で第2期を迎えます。そして、最近1年ないし2年の間に、今度はそれをもとにして、産業あるいは社会が大々的に情報化の進んだ時期を迎えているように思っております。もちろん、これもきちんとそれぞれに分かれているわけではありませんが、概念的にみると、今、3段階程度のことであるように思っております。
先ほど公文先生のご紹介にもありましたように、日本は昨年IT基本法ができ、IT戦略会議の提案がありましたが、今、日本が狙っているのは、まだアメリカの第1期であるように思っております。これからどのように通信インフラを整備するかということでありましょうし、どうやって料金を下げていこうかというところをねらっているところで、私は、まだ日本はアメリカの第1期だろうと思っております。多分、これから第4期というのができてくるだろうと思っておりますが、それは、先ほど公文先生のビジョンにあったところでございまして、日本は一気に第4期に突入するという努力が必要な時期になってきているのではないだろうかと思っております。日本の場合、確かにパソコンとインターネットということでいうと、アメリカに先を越されておりますが、多分、これから第4期になると、いろいろな形の変化が出てきて、しかも日本の有利な点も出てくると私は思っております。
1つは、iモードの発展ということでございますが、この点はクリントン大統領も、日本、フィンランドにアメリカは2年おくれているといっておりますけれども、これから携帯、iモードの進展というものが非常に出てくるわけでありまして、これは、いろいろな形でサービスも多様になってまいると思いますし、これからホームオートメーションの端末にも使われるということになります。