外食、ホテル、タクシー等々なわけですが、今度は、情報通信の世界の中に機械化や商品化が入ってこようとしている。これが現状であります。
しかし同時に、ほぼ同じころ、第3の情報化もまた始まっておりまして、情報化という点でいうならば、現在は、いわば第1次の情報革命、これが出現から突破に向かいつつあるところではないかと思われます。情報化とは、先ほど申しましたように、知的な、あるいは情報操作、情報処理の能力の増進であります。とりわけ第1次の情報革命では、情報をつくり出したり、あるいは伝達したりする力が、今、コンピュータや通信ネットワーク産業によって支援されていまして、これが大きく伸びております。恐らく、次の第2次情報革命では、手段よりも目標、あるいは価値とか意味を問うようになるといった変化が起こってくると思いますが、それはまだ遠い先のことでありまして、当面、新しい情報化のパワーが生まれている。それが実は、先ほど申し上げたIT革命の変調とも密接に関係をしている。こういう力が出てくるところから、産業化の従来のビジネスモデルがうまく動かなくなっているということではないでしょうか。
まとめてみますと、つまり現在、私どもがIT革命と呼んでいるのは、いってみれば、少なくとも3つの違った側面があると思われます。その1つが、いわゆる第2次産業革命の成熟がさらに進んで、ほとんど爛熟とでもいいたいような、つまり乗用車、家電に情報化の技術が応用されるという側面でありまして、ここでは日本は、紛れもなく世界のトップランナーであります。この戦場では、もう既に何十年も前からパチンコが非常に流行いたしておりますし、カラオケ、ゲーム、アニメ、そして最近ではカーナビ、携帯、デジカメ、さらにはソニーのアイボのような個人用のペット型ロボット、こんなものが、究極の家電とでもいいたいようなものがどんどん出てきつつありますけれども、それは1つの側面でありまして、もう1つの第3次産業革命、つまり新しい種類の産業、例えば初期はコンピュータ、今は、いわゆる情報通信産業という産業が生まれつつありますが、こういう新しい産業が出てきて、その成果が業務に利用される。日本のIT推進戦略でいいますと、電子商取引と電子政府をやらなくてはいかんというのはその認識だろうと思います。しかし、そのもとになる情報通信のインフラをつくる産業、これが非常に重要なのですけれども、これをどう育てていくのか。ここでは日本が明らかに出おくれております。そして今、米国が変調を示しています。