公開シンポジウム
『IT革命と日本の対応』
平成13年1月29日 於:全日空ホテル
○司会(大河原) お待たせいたしました。ただいまから世界平和研究所の講演会を開催いたします。本日は、皆さん大変お忙しいところ、また、お寒い中を、私ども世界平和研究所が主催いたしますシンポジウムに多数ご参加いただきまして、まことにありがとうございます。
本日のシンポジウムは、ご案内申し上げましたように、日本財団の後援をいただきまして、「IT革命と日本の対応」というテーマで、3人のパネリストの方々からご意見の発表をいただきたいということで考えております。3人のパネリストの方々につきましては、後ほど、本日のモデレーターを務めます当研究所の薬師寺研究主幹から紹介させていただきたいと思っておりますが、この分野におきまして、我が国を代表される、そうそうたる方々でございますので、極めて内容の濃いお話を伺うことができることと、楽しみにいたしております。
ご承知のように、本日のテーマでありますIT革命は、19世紀の産業革命と同様、21世紀の世界を規定するといってもよいほどの重大な影響を及ぼすとみなされているところでございます。また、IT革命におきまして、日本は、アメリカだけでなくて、韓国、台湾、シンガポールといったアジアの国々よりもおくれをとっているということもいわれておりますが、まさに官民挙げてIT革命の対応を迫られている状況だというわけでございます。
こうした世界の動きを受けまして、政府は、我が国におけるIT革命を強力に推進することを重要な政策として、内外に宣言していることはご承知のとおりでございます。しかし、そうした政府の中でも、つい先日のインターネット博覧会の開催とか、IT講習会の検討など、いろいろな政策が打ち出されておりますが、その効果、あるいはそのやり方等については、必ずしも多くの方々の積極的な支持を受けているとはいえないということも事実のように思われます。また、企業におきましても、IT革命への取り組みで、飛躍的な進歩や利益がもたらされた企業がある反面、Eコマースへの取り組みにみられますように、必ずしも高収益、あるいは効率的なビジネスモデルの構築ということが実現したとはいえない企業も多いようにみられます。