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■財源

地元のアーティストの作品を展示し、作品の販売を行い、アーティストに支払うとともに一部は病院の文化サービスプログラムの収入としています。

プログラムを行う財源は、病院からは支給されず助成金で運営するので、助成金がなければできません。そのため、常に実施しているものだけでなく、一時的なプログラムもあります。文化サービスプログラムのフルタイムのスタッフが、個人または財団に交渉、申請して、補助金や助成金を得る仕事に従事しています。

■特別イベント

ここ数カ月、私たちの文化の豊かな多様性に焦点を当てた、一連の特別イベントを行ってきました。

私たちの町ダーラムは学術都市のひとつで、世界中から多くの人が集まってきます。さらにアメリカ南部全域でヒスパニックの人口が増加してきています。この豊かな多様性を喜び、受け入れ、祝うための委員会をつくり、委員会の協力を得ながら、芸術、工芸、音楽、食べ物に焦点を当てた4つのイベントを開催し、道案内プロジェクトとして芸術作品を購入しました。道案内プロジェクトとは、病院内の場所や道順を、目印となる作品によってわかりやすくするものです。これは、病院の建物が非常に広く複雑で、目当ての場所へのアクセスが難しいため非常に有効です。

この特別イベントでは、助成金によって、病院内の目印となる大きな絵画を4点購入しました。4つの異なる文化的背景をもつ作品によって、病院内でのアクセスがわかりやすくなっただけでなく、多様な文化を受け入れ、互いにその文化を分かち合うことを学びました。

アメリカは今でも世界中から人びとが移住してきています。そして人類の坩堝(るつぼ)ともいえる状況でどのように一緒に住むことができるのかを模索しています。芸術はいろいろな人の違いを障害ではなく強みとするために、とくに効果があります。

 

3 研究とその方法について

ヘルスケアの現場に芸術を取り入れる試みは、世界中のさまざまな場所で独創的なプログラムによって始められています。アメリカではアーツ・イン・ヘルスケアの運動への支持が高まってきていますが、それは同時に、私たちにとって非常に大きな課題が与えられたということです。

 

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入院患者のもとにミュージシャンが訪れる

 

 

 

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