第10回海洋および極圏工学国際会議講演論文
アメリカ合衆国シアトル、2000年5月28日〜6月2日
Copyright©2000 海洋および極圏工学国際学会
ISBN 1-880653-46-X (Set); ISBN 1-880653-48-6 (Vol.11); ISSN 1098-6189 (Set)
ライザーの疲労設計:横方向流体力モデルの利用による新設計手法
O.B. Sertã
Petrobras S.A., Rio de Janeiro, Brazil
S.H. Sphaier and A.C. Fernandes
COPPE/UFRJ, Rio de Janeiro, Brazil
摘要
渦励振現象は、ライザー等の半固定式海洋構造物における動負荷による疲労破壊の主要な原因である。API RP 2RD (Design of Risers for Floating Production Systems and Tension-Leg Platforms)等の設計規格では、通常、構造物の使用期間の10倍以上の設計疲労寿命が要求される。しかし、流体による横方向の力は、通常の動的特性解析モデルには含まれておらず、そのため、その影響は疲労破壊の予測にも含まれていない。渦励振による破壊は、専用の解析モデルを使って単独で評価することは可能だが、渦励振と横方向負荷の両方を含む包括的な破壊計算を行なう信頼性のある手法は確立されていない。このような不確実性を排除する方法として、危険性が高いと考えられる場合には、渦励振を抑制する方策が取られるが、より良い設計手法と適切なモデルが存在すれば、そうした対策を取る必要がなくなる場合も存在する。
本稿では、渦励振を含むあらゆる破壊原因を考慮に入れた疲労破壊寿命の計算により、ライザーの個別設計手法を質的に向上させるための研究成果の概要を報告する。
キーワード:渦励振、ライザー設計、ライザーの疲労特性
記号リスト
ca-付加質量係数
cd-抗力係数
cm-慣性係数(cm=ca+1)
D-外径
fs-はく離渦の平均振動数(振動性の流れ)
Fx-流れ方向の流体力