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造船所のミスにより、公試運転の2日目に、3基の船尾のスラスター格納庫に浸水し、モーターが水没した。これらの全てのモーターはメンテナンスのために外され、その後船舶に再装備された。しかしながら、結果として、作業計画は完了せずに、船舶は岸壁に戻らなければならなくなり、最終的な試験が計画された。

 

最終的な海上公試運転

およそ10日間におよぶ海上公試運転は、出航前に計画された。計画には以下の事項を含む。

-船尾スラスターの耐久性試験

-騒音と振動の測定

-速度と操縦性試験

-オートパイロットの測定

-海水を用いた貨物タンクの荷揚げシステムの機能試験[パイプの支持を水圧システムに変更した部分の確認のための限定的な試験]

-発電機の並行負荷試験[負荷試験により岸壁まで帰る]

-起動試験

-ブラックアウト及び非常用発電機起動試験

-HPR試験

-IGG性能試験

-船速距離計の測定

傾斜実験は海上公試運転の前に行われる。これは、Transport Canadaとロイドの立会により証明される。

 

建造/権限委譲段階の管理

建造中に用いられた管理手法は、伝統的なものである。critical path解析及びlook aheadが広く使用された。機械的な完成とともに個々のシステムが引き渡され、未解決の作業を確認するためにパンチリストシステムが導入された。

この節では、東南アジアの造船所の独特な問題点についていくつか述べる。

 

材料

韓国内でオフショア用の材料を調達することは、しばしば困難であるということを経験した。この地域での最良の供給国は、おそらくシンガポールであろう。しかしながら、特に、専門的な材料が緊急に必要になったときは、概してヨーロッパ及び北アメリカから調達することがよりよい方法であるということを我々は経験した。

 

 

 

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