日本財団 図書館


NewfoundlandのBailey Sea社により設計された航海システム(VCS)は、高水準の遠隔及び自動制御である。火災及びガスシステムは施設を通して共通である。本船のこの部分は、上甲板上のユニットを結合する予定のカナダへの引渡航海のために、独立して設計された。SIL2に近似するくらいの安全性を持っている船舶遮断システム(VSD)は、貨物とバラストの操作に関して極めて高い安全性を確保している。

 

前部の機関区画

前部の機関区画には、2つの「key service」と呼ばれる、Wartsileのディーゼルエンジン駆動の定格出力6.5MWのABBの発電機がある。これらのユニットは、韓国の造船所からカナダまで自航するのに十分な設備である。加えて、ガスタービンが故障した場合の冗長性も非常に高い水準で備えている。やぐらの前方に備えられているこれらの設備が、ガスの発生により危険にさらされる機会は無視してよいほどである。

2基のSulzer製の消火ポンプは、Caterpillar製の機器により駆動され、A60の防火壁により仕切られ、20.9mの層に囲われた区画としてある。

さらに2基のKaMeWaのスラスターが、この空間に配置されている。2基ともメンテナンスのために船体内部に引き上げることができる。

 

オフショアと商船の基準

FPSOは何年もの間世界中で使われているけれども、最近は、過酷な環境下のみで使用されている。ほとんど操業実績がないところでも行われる。しかしながら一般的に、過酷な環境で使用するため、船舶の設計及び建造は、通常の船舶の建造基準を超えるべきであることが認識されている。Brown and Rootにより設計されたPV150の開発における重要なポイントは、北海及び極東における固定又は浮体式のプラットホームを含め、オフショアと造船産業の両方の経験がある設計技術者のチームを特別に形成して活用したことである。この「Vessel Group」は、造船所が選定される前の予備設計の間に、上部構造物のデザイナーとともに必要なインターフェースを用意した。これは、船舶と上部構造物の間を調整することにより、高水準の共通システムを可能にした。

このような「Vessel Group」の目的は、設計に柔軟性を持たせることである。FPSOの設計は、操業する海域、海域での稼働時間、及び船上に搭載される生産設備の範囲に従って変わる。

インターフェースの管理はFPSOプロジェクトを成功に導くための鍵である。統合システムの使用は、もしも1社が全てを担うのであれば、単に実質的であればよい。この場合、契約上最も良い方法は、造船所に対してエンジニアリング会社に下請け契約させることである。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION