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模型試験

船体及び係留システムの設計を実証するため、及びスラスターシステムの設計における補助のために、広範に渡る模型試験が実施された。

試験は、5つの異なったフェーズをカバーし、デンマーク、ノルウェー、及びNewfoundlandのSt John'sで行われた。

1. LyngbyのDanish Maritime Institute (DMI)で、船舶への風と流れの負荷を決定し、ヘリデッキ回りの風の流れを評価し、ファンネルの性能を評価するために、1/200の模型で風洞試験が行われた。

2. TrondheimのMarintekで、船舶の挙動及び係留応答試験は、1/60の模型で行われた。このテストは、予備的な青波の測定と、進行方向制御及び自動船位保持に関するスラスターシステムの試験も含んでいる。

3. St John'sのNational Research Council's Institute for Marine Dynamics (IMD)で、抵抗と推進と氷海性能試験は、1/27.65の模型で行われた。

船体抵抗を小さくすることは船体設計における主要な基準ではないが、抵抗及び推進試験は、推進性能が標準的なタンカーの基準以上であるということ、引渡時の航海で予定されている約10ノット速度が出ることと、海域で十分に荷物を積んでいる時に氷山を避けるために十分な性能があることを示している。

4. IMDでの係留切断と詳細な航海性能試験は、1/44の模型で行われた。青波の発生と打ち寄せは、切断時の横波による横揺れ反応として、「係留状態」及び「非係留状態」の幅広い範囲でチェックされた。

5. Westmerによって実施された氷の衝撃解析を確認するために、氷山衝突試験もIMDで行われた。

試験結果は良好であり、建造コストのペナルティーを受けること無く、十分に設計要件をクリアーする船であることが導かれた。(Fig.8、9、10、11)

 

挙動

船体形状の設計のために最も重要なアイテムは、波に対する船体の応答である。船舶は、卓越した応答特性、すなわち船舶が操作されるであろう環境の範囲を超えも最小の挙動(変位及び加速度)を表すように設計されなければならない。

解析及び模型試験により、係留時の接続状態では、100年stormでも最大の縦揺れ3hourで横揺れ角が8度以下を維持するという、船舶のすばらしい性能を確証した。係留切断状態における横揺れ角も同様に適度な角度である。挙動のみの考察から、処理プラントは、もしも必要であるならば、これらの10年stormの挙動レベルまでは操業することが可能である。

 

 

 

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