日本財団 図書館


後部のスラスターは、大波での操作性に卓越しており、標準のトリプルスクリュー型における中央ユニットより前にある両翼のスラスターとともにビームを横切って配置されている。船首のユニットは、左右に揺れている時の操作性に卓越しており、センターライン上に配置されている。ベースラインより上の船尾のユニットに対して、ベースラインより下に船首のユニットを配置することにより、船首及び船尾のスラスター間の干渉は低減されている。

 

概要

Terra Novaの船体形状は、「導入」のところで述べた全ての要件に適合するように設計されている。適度なBlock Coefficientを採用し、容易に建造できるように最小限のビームと最大限の深さの設計で、構造的に有効な船体形状である。貨物を貯蔵するための縦長の平行した胴体とし、簡単に建造できるようにするとともに、前方の波と横方向の波の両方の運動特性をできるだけ能率的に利用するため、船体中央区画の係数が引き下げられている。さらに深さを増やして、安定性と貨物搭載容量を維持するとともに、船体に係る張力とゆがみを低減することもできる。前部の上部構造物とともに、船首形状、最小限のビーム及び適切な乾舷により、係留中及びDPシステム稼働中の環境負担を低減し、デッキ上の水を最小限化している。船体形状及びスラスターの設計は、スラスター間の干渉を最小限にするとともに、各々のスラスターの能力を最大にするように配置された。

 

性能

船舶の性能は、最高の解析技術と試験手法を適用することによって評価及び洗練された。

 

解析

船舶の航海性能は、オリジナルの設計の中で広範囲にわたって解析され、模型試験の結果との相互関係が示された。船舶の挙動と海面は、回折解析により計算された。

船舶の動きと海面の挙動は、船首を超えて又はメインデッキ上に来る青波の可能性をチェックするために用いられた。

圧力による負荷と挙動が、船体構造、係留設備、やぐら及び上部構造物の設計及び解析の出発点である。結果の有効性を確認するため、異なったソフトウェアーを用いて別々に挙動計算が行われた。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION