日本財団 図書館


通常の風向きで、縦方向の風による負荷は上部構造と船首楼の遮蔽効果により減少した。

 

耐氷性の増強

FPSOの船体は、100,000トン以上の氷山及び5/10の海域を覆う0.3mの厚さの浮氷郡によって、船体に係る荷重が増加しても耐えられるように設計されている。

耐氷性の増強の範囲は以下の通りである。

068-1.gif

耐氷性の増強のために、船首区画の範囲は「やぐら区画の前方の隔壁、フレーム48より前」と定義され、船体中央/船尾は「やぐら区画の前方の隔壁から後ろ」と定義されている。

Terra Nova FPSOは、以下の耐氷性の増強が図られている。

船体中央と船尾区画はロイドのBaltic Ice Class Notationl 1A (30cmの雪で覆われている割れていない80cmの厚さの氷の状態に等しいfirst year iceの状況で、少なくとも5ノットの速度で継続して航行することができる船舶として適しているというもの)の要件を満足する耐氷性の増強が図られている。

船首区画は、プロジェクト特有の氷圧海域関連事項に従った氷圧で、multi year iceに関するロイドの要件に従って耐氷性の増強が図られており、この要件は、Grappling Island testsにおけるC-COREにより完成された研究によって開発された。

船体の強度は、バンクーバーのWestmar Consultants Incによって行われた独自の氷山衝撃解析及びSt John'sのIMD試験ドックでの浮氷郡及び氷山試験を通じて、氷山の衝撃に関して、エネルギー分配則に基づき実証された。

 

推進効率の最大化

初期の関心は、係留及び船位保持の補助としてスラスターを効率よく動かすことであった。スラスターによる良い水流は、推進効率を確保するため及び自航時の振動を避けるためにもまた重要である。水流を通じた小さい抵抗は、安定性や設計時の航海性能に2次的な影響を与える。

最大12度の船体後部の上昇時、スラスターの推進方向への転回時、及び船底が水平の状態から後部が大きく上昇するまでの過渡時に、船尾部はスラスター内の水流の分離を避けている。船首スラスターのある船首部分は、大きなビルジ区域と共にU区画を持っている。スラスター自身はユニット間の干渉を最小するように形成されている。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION