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タンクのサイズと配置は完全な二重船殻構造により形成されているため、MARPOLの要件に適合し、検査時に船体構造にフルアクセス可能である。460,000bblの容量の33区画のバラストタンクは、原油貯蔵タンクの外側の船首尾の区画に配置されている。この配置は、いかなる衝突事故が起きても、極端な貫通から貯蔵タンクを保護するバッファーゾーンを作っている。本船の代表的な断面図である横方向のタンク断面図をFig.5に示す。

初期設計の段階では、オイルタンカーに適用されている海洋汚染防止に係る要件への適合という要求はなかった。しかしながら、政策的事項として、二重底の高さと両翼のバラストタンクの幅は、MARPOLの要件に適合するサイズとした。耐氷性の船穀と共に、この二重船穀構造により、船体外板へのダメージによる浸水又は油の流出を防止することができる。

 

デッキペイロード

上甲板上のペイロードは、約5,000トンの係留設備とやぐらの重量を併せ、およそ12,500トンである。氷上における状態では、追加で2,000トンのアイスロードがある。基礎としているPV150の設計は、隣接したバラストタンクと原油貯蔵タンクの使用に制限がなく、貨物が増えることに考慮を払う必要が無い海域においては、二重底のバラストタンクを使うことにより、さらにペイロードを増やすことを可能にしている。

 

船首楼とプールの高さ

Grand Banksの比較的に浅い部分の海水により悪化させられた過酷な天候状況では、100年ストームにおいて30m以上の波が発生するのと同様な嵐の波を砕くことにより浸水が起きる。メインデッキへの水を防ぎ、船首楼及び船尾楼を超えて崩れてくる波頭を防ぐことは非常に重要である。(Fig.6、fig.7)

プールの長さと船首楼は嵐により壊れて船にうち寄せる波頭を防ぐために選定され、コンピューターシミュレーション及び模型実験によりチェックされた。切り立った船首は、嵐の波が船に到達したときに、波を急勾配により下に落とすことになり、その結果波を崩す。Terra Novaの船首の側面、区画及び喫水線は、この効果を最小にし、波頭をメインデッキからできる限り遠くにそらすために尖っている。

 

ビルジキール

船舶には幅1.05mのビルジキールが、長さ方向の50%以上に、有効に船体中央に付けられている。ビルジキールは、船体構造の接合部で船体内部に先細になっているパネルと共に一連のパネルの中に入っている。キールは、予想される全ての天候状態で、最大ロール角を約7度に維持するためのサイズである。

 

 

 

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