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(b) 細胞に対する毒性・障害性の評価方法とそれを用いた溶出溶媒自身の毒性評価

これは平成11年度に行った評価試験であるが、本調査研究の根幹をなす重要な部分なので、一部を修正した上で再録する。

【実施方法】

2カ所の調査対象海域から採水した試験海水に混合・懸濁した微量化学物質の分離および濃縮方法の流れを図1に示す。

また、上記の方法で濃縮された化学物質の培養細胞に対する毒性・障害性の評価方法には、LDH細胞障害性試験法および細胞増殖に対する阻害活性試験法を採用した。これらの2つの方法について、今回の研究で用いたプロトコールを図2と図4に示す。

2つの方法ともに発色試薬の反応を利用して分光学的に測定する考え方を採用した。そこで、高い再現性と試験の迅速性を考慮して発色試薬などはキットを利用した。LDH細胞障害性試験についてはLDH―細胞毒性テストワコー(和光純薬)を用いた。また、細胞増殖に対する阻害活性試験については化学物質を添加した影響による細胞数の変化を測定することにし、細胞数の違いを吸光度の差で読み取るcell counting kit (同仁化学)を用いた。

供試する細胞は各々の培養プレートで培養した。プロトコールに示すように最初の植え込み数については96ウェルプレートの場合、1,000〜3,000細胞、24ウェルプレートを用いる場合は、10,000〜20,000細胞とした。

 

 

 

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