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3. 上で定めた実施方法を用いて、2カ所の調査対象海域から採水した海水試料を濃縮・溶出し、これらの濃縮画分の毒性・障害性をLDH細胞障害性試験法および細胞増殖に対する阻害活性試験法で検証する。

 

b. 調査研究項目

(a) 研究に用いた培養細胞株についての説明および本補助事業で購入した研究用備品とその用途について

本調査研究では、実験動物の代替材料として培養細胞を用いることが主題の1つとなっている。永久継代系として確立している培養細胞株は多数存在し、その性質は各々の株で大きく異なっている。そこで、今回の調査研究目的に見合う株、すなわち培養が容易である株・化学物質に対する感受性がある程度高い株を選定する必要がある。そこで、平成11年度は、すでに入手して研究に用いている株と従来の毒性試験でよく用いられている3種類の株について検討した。その結果、NRK細胞が化学物質に対して感度が高く、増殖も早いことから、本年度はこれを用いることにした。培養細胞株は、理化学研究所・細胞開発銀行から純粋株を購入したものであり、由来等は以下の通りである。

1. NRK細胞(RCB No. 0043)

これは正常ラット腎臓由来の細胞で、正常な二倍体細胞に近い性質をよく残している。従って、この細胞で得た結果は正常な個体の組織を用いて得られた結果と一致することも多く、実験動物の代替株としては有用な面があると考えられる。形態は繊維芽細胞様である。

NRK細胞は、10%ウシ胎児血清添加イーグル最小必須培地(MEM培地、日水製薬)を用いて、37℃に設定した炭酸ガス培養器の中で培養した。

 

 

 

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