日本財団 図書館


3.6.8 ロストと乗り移りの割合が理論上と異なる結果となる原因

実態調査(1)の図3.4.1.2の実態調査結果では、追尾のロストと乗り移りの割合は本牧と浦安では1:1、全体では約2:1であるが、観音埼では約3:1となっている。この原因として、観音埼レーダー監視海域の地理的な位置、及び船舶の密度が他より高いことが考えられる。

すなわち、

1) 浦賀水道航路が外洋に接続していること。

2) 船舶通航数が他の航路より多くなること。

が挙げられる。しかも、管制対象船の通航時間帯が日中に集中していることから船舶密度が高くなり、遮蔽が起きることが多くなる。

その他の原因として、追尾の条件外となるが、実際には、乗り移り後にロストがあることもある。

以上の条件によって、遮蔽が起きることが多いため、遮蔽された側の船舶のエコーが消失(ロスト)することが多い。このとき図3.6.8に示すように近接していると、複数の船舶のエコーが互いに相手側の追尾ゲート内に入り、乗り移ってしまうことになる。

また、接近している場合、多重反射による偽像が発生することも多く、それに乗り移ってロストになることもある。

 

066-1.gif

図3.6.8 実態調査結果に基づく追尾のロストと乗り移りの原因

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION