日本財団 図書館


3.6.3 実態調査(2)の調査日毎の追尾のロストと乗り移りの調査結果について

実態調査(1)のアンケート調査結果と比較すると、表3.4.1.3の実態調査(2)の3日間の日毎のロスト乗り移りの調査の結果は、「船舶の陰によるロスト」の件数が一番多く、「船舶エコーが複数に割れる」の件数が一番少なくなっている。この理由は、主に船舶分布(船の位置、密度、船の大きさ、船の向き)の違いによるものと考えられる。

実態調査(2)では、3日間を通じて天候は良く、16日に一時的に降雨クラッタが観測されたが、それによるロストは無かった。18日には風が強くなり波浪クラッタによるロストが多くなった原因となっている。

この3日間の調査結果ではロスト件数の多い順に「船舶の陰によるロスト」、「多重反射偽像によるロスト」、「降雨・波浪クラッタによるロスト」、「接近した他船などの映像に乗り移り」、「船舶エコーが複数に割れる」となっていることから、この順に対策の検討及び実施を考えることが必要と云える。なお、接近した他船などの映像への乗り移りはUSライン以北で4件、USライン以南で18件であったが、この18件はパイロット乗下船によるもので、目的があって接近してロストしていることから、別途の対策が必要であろう。

 

3.6.4 実態調査(2)の海域別の追尾のロストと乗り移りについての考察

実態調査(2)では、追尾のロストの原因を調べるために海域を分けて件数を集計した。設定した分析区域図は図3.4.1.6のとおりである。図の区分は取り扱われているレーダー信号によって分けられている。取り扱われているレーダーが2式となっている区域では2つのレーダーで追尾している各々の追尾結果が合成されて使用されている。(表3.6.4.1参照)

 

表3.6.4.1 分析区域と取り扱いレーダー

060-1.gif

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION