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AIS 8/2/3

 

H-H. Callsen Bracker 様

 

IMO AISガイドライン案を送付して頂き有難うございました。この件については11月のAIS委員会で審議することにしたいと思います。

ところで、IAIN(国際航海学会)のA. N. Cockroft氏から次のような書簡を頂きました。

 

「最近、私はIMOの航路並びにCOLREGsの改正についての作業グループ議長であるJ. N. F. Lameijer氏とAISガイドラインについて意見を交わしました。彼も私も、ガイドライン案の7.8項及び7.9項の衝突防止のためのAISの使用についてのアドバイスに関心を持ちました。7.8項にあるアドバイスの中には討議すべきではないようなものがあります。船舶は、COLREGsに反する衝突回避行動をとることに合意すべきではないし、VHF音声通信に頼ることは言葉の理解を誤ることがあります。しかし、第2文節の、物標を識別する能力があるからといって船舶が積極的にVHFを使うようなことにしてはならない、というアドバイスや、最後の文節の、音声通信に頼ることは出来るだけ避けるべきである、ということはまだ解決していない問題です。

パイロットが船上でVHFを使用することは、ある海域においては災害を減少することになっていると言われてきました。国によっては、特にアメリカ合衆国では、衝突事故を避けるのに船舶はVHF通信を利用することが期待されていることが判例として確立されています。我々の中にも、国際海域内で衝突回避のためにVHFを使用することに深刻な不安を感じている人もいますが、VHF音声通信に頼ることは避けるべきである、とIMOで発行されるガイドラインに書くことまではとても考えていません。

私どもは又、ガイドライン案7.9項の、AIS情報が得られることによって、船舶に目視又はレーダーによる観測だけの通常の状態のときよりも長くそのままでいるということがあってはならない、他船との間隔を十分に空けるために早めの実効的な行動を常に取るべきである、というアドバイスについても心配があります。このアドバイスは、COLREGsでコースと速度を維持するように要求されている船舶に、衝突回避のために早期に行動を起こせと勧めているように見えます。」

 

この書簡では最後に、IALA AIS委員会でこの懸念について発言するよう私に求めていますので、ここに引用した次第です。

ハンブルグでの起草グループで、貴殿とBennieと私が衝突回避に深入りすることは危険だということで意見が一致したことを思い出します。ICSの考えとは明らかに違っていました。

何か説明が必要であればお知らせ下さい。では11月にお会いしましょう。

 

Duncan Glass

 

 

 

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