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5.2.2 記号

利用者は、グラフ表示に使用される記号をよく知らなければならない。

 

6 AISの限界

 

6.1 当直士官(OOW)は、他船、特にレジャーボート、漁船、軍艦、それにVTSを含めて海岸陸上局にはAISが装備されていないかも知れない、ということを常に念頭に置くべきである。

 

6.2 当直士官(OOW)は、義務設備としてAISを搭載している他船であっても、船長の判断によってAISの電源が切られているかも知れない、ということを常に念頭に置くべきである。

 

6.3 換言すれば、AISによる情報は必ずしも周辺の状況を完全に示す画像ではないということである。

 

6.4 利用者は、誤った情報の発信は自船と同時に他船にも危険を及ぼすものであることを知っておかなければならない。利用者には、システムに入力した全ての情報並びにセンサーから入力された情報に対して責任がある。

 

6.5 受信したAIS情報の正確度は、発信された情報の正確度と同じである。

 

6.6 当直士官は、船舶のセンサー(位置、速力並びに船首方向センサー)の配置或いは較正がうまくいっていないと、誤った情報が送出されることになることを知っておくべきである。

 

6.7 当直士官としては、他船から受信した情報は自船から得られるものと同程度の品質と正確度であるとは考えない方がよいであろう。

 

7 AISの利用

 

7.1 AISを船舶対船舶モードで衝突防止に利用しようとする時は、当直士官は続くパラグラフの情報を注意深く記録すべきである。

 

7.2 AISは航行情報に付加されるものである。AISはレーダー物標追尾やVTSのような航行システムに置き代わるものではなく、支援するものである。

 

 

 

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