日本財団 図書館


5.2 AISデータの表示

AISは3.3項で述べたように、最低限の表示器又は適当な表示装置に表示することの出来るデータを提供する。

 

5.2.1 最低限の表示

この表示器は3行のデータを表示する。各行は最低限でも、方位、距離、選択した船舶の船名を表示する。船舶の他のデータはデータを水平方向にスクロールして表示することが出来る。ただし、方位と距離のスクロールは出来ない。垂直方向にスクロールすれば、AISが把握している他の船舶すべてについて表示される。

 

5.2.2 グラフィック表示器

AIS情報がグラフで表示される場合は、観念的に矛盾がないように、そして次のものがなければならない。

 

非活性物標

非活性物標は、或る位置にAISを搭載した船舶が存在することだけを示す。活性化させるまでは、その他の情報を表示させないことによって情報が過負荷にならないようにする。

活性物標

利用者が船舶の動きについて、より多く知りたい場合は(非活性の)物標を活性化させるだけで、次のようなものが直ちに表示される。

− ベクトル(対地速力及び対地進路)

− 実際に進路変更を開始したことを表示するための回頭率表示(判れば)

− 船首方向

選択物標

利用者が物標(活性又は非活性)の詳細な情報を知りたければ、その物標を選択する。そうすればデータが受信され、CPA及びTCPAの計算値が数値アルファベット窓に表示される。

特別の航行状態も、物標の表示に直接ではなく、数値アルファベットのデータフィールドに表示される。

危険物標

AIS物標(活性又は非活性の)が予め設定したCPA及びTCPAの限界を通過すると算定された場合は、危険物標として分類されて表示され警報が与えられる。

消失物標

予め設定された距離範囲の中のAIS物標のAIS信号が受信されない場合は、消失物標記号が最後の位置に表示され、警報が与えられる。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION