勧告V−103の内容
勧告V−103は、VTS研修の原則と目標とについて述べているものであり、考えられる経歴上の進展について概要を示し、応募基準及び知力テストについて提案を行い、資格・証明・年次評価・再審査などに従事し授与を行うための基本事項について説明している。VTS要員の研修についての助言は、STCW95において使用されている形式に従っており、VTS運用者及び監督者に対する能力に基づいた研修についての要件を提示している。また、VTS運用者及び監督者の作業解説書の骨子、及びVTS管理者の作業の概要、を含んでいる。
本文は、VTS担当部局に対して大まかではあるが有用な指針を与えることにより、初期の目的を達成しているが、各々のVTSにおける独自性及び各VTSの種別、現場の必要性及び所要条件、更にVTS志願者が持っているさまざまな背景、を念頭において書き上げられたものである。
同勧告の主な項目には次のものがあり、以下順次説明する。
・作業解説書
・選抜及び採用
・研修
・模範研修コース
・資格及び証明
作業解説書
経験によると、効果を発揮しているVTSセンターは、一様に、当該センターが訓練し採用しようと思っている要員に対する分り易い「作業解説書」を作成すること、に多大の時間と努力とを傾注している。研修は、特定のVTSセンターにおいて「業務に適した」要員を育成することを狙いとすべきであり、それに従って各コースの指導要綱の策定が行われるべきである。
VTS要員は、関係VTS担当部局が規定しているところに従い、VTS管轄海域において、VTS情報を提供し、必要な時は航行援助を行い、また、通航編成業務を確立する、ことができるべきである。VTSの規模・活動範囲・場所により異なるが、VTSセンターは、VTS運用者及びVTS監督者並びにVTS管理者により構成されることができる。その責務を満足するために十分である職員配備の水準を決定し、これらの付託行為を実施するために稼動できる研修済の要員を確保することは、当該センターが行う。