VTS要員の研修及び資格認定に関する基準についての勧告(V−103)
上記に概要が述べてある一般原則は、VTS要員の研修及び資格認定についての基準における規定条項の骨組みを設定するために使用されたものである。この骨組みは、IALA理事会によって承認され、「VTS要員の研修並びに資格認定に関するIALA勧告」(V−103)という題名において出版された。同理事会は、IALA国家メンバーが同勧告を船舶通航業務の実施を担当している国家機関の目に留まるようにすべきである、と主張していた。
勧告V−103及びそれに付属する各模範研修コース(V−103/1、V−103/2、V−103/3)は、IALA理事会において承認されてのち、IMOへ提出され、海上安全委員会において検討された。同委員会は、この勧告と各模範コースとに留意し、各(IMO)メンバー国政府に、VTS担当部局がVTS要員の研修及び資格認定について考慮する際には同勧告と研修コースとに注目するように仕向けること、を要請した。本文の全容は、MSC回報952に収録されている。
勧告V−103は、VTS研修に対する共通の国際的な対処方法についての基礎を成している。各担当機関及びVTS担当部局並びにVTS研修施設は、VTS要員及び研修の問題について検討する際は、勧告V−103において行われている助言を遵守することが奨励されている。
国際的に同意されているVTS要員の研修に関する基準が持っている狙いは、2点ある。一つは、危機的な状況が発生し得るVTSにおいてキーポイントを占める要員の能力を確保することにあり、二つめは、全世界を通して船舶との通信要領の一様性・一貫性を図ることにある。
同勧告は、各々のVTS管轄海域が持っている独自性、担当機関毎に異なる応募水準の必要条件における大きな相違、VTS要員の研修を実施する際に遭遇されると思われる諸種の困難性、などを念頭において作成された。従って、この勧告は、各担当機関がVTS業務の実施における共通性を維持しつつ、独自の要件を設定することができるような骨組みを与えている。
IALA勧告V−103の印刷物は、IALA本部から入手することができる。