N. コンテナ揚/積計画(Stowage Bay Plan)
N-1. 全体積み込み計画
コンテナ船は一航海の間に幾つかの港湾に寄港するが、最初の港湾から最終寄港地まで全航海を通じて、船舶の安全性を考慮した積みコンテナ計画を立案する必要がある。しかし、船舶が入港前までに荷役を行う為に必要な情報を得る事が不可能であり、船会社は過去の情報と経験並びにブッキング情報により荷役の全体計画を立てる事になる。
N-2. 詳細積み荷役計画
コンテナ船の入港日が近づくに従って積みコンテナがヤード内に集積される。更に卸しコンテナ情報が船会社代理店から提供され、それらの詳細な情報により当該船の荷役計画が立案されコンテナ船の滞留時間が決まる。
N-3. 積/卸し荷役計画作成時の補助
船会社代理店とコンテナターミナルが作成した計画は当該船々長又はチーフオフィサーに提示し、了解を得た後に荷役が開始される、コンテナ積/卸の順序は決まっており、そのチェックリストがコンピュターにより作成される。
このリストは荷役を行う関係者に渡され、このリストに基いて荷役作業が行われるが、緊急事態が発生した場合は一時中断する事も想定したシステムとなっている。
全ての荷役作業が終了時点でコンピュターにより荷役結果のリストを出力する。
O. 非常時における運営
O-1. コンテナターミナルコントロールシステム
最近のコンテナターミナルはコンピュターによりヤード管制を行っているが、これらのシステムはコンピュターと人間が有機的に結合されたシステムである事を充分に認識しておく事が必要である。
コンテナターミナルのコンピュターによるオペレーションシステムはハードウェアーとソフトウェアー及び人間の三つの要素から構成される。
通常、システムの設計者はハード・ソフトウェアーに対しては充分知識はあるが、人間が介在して作業を行う点については充分認識されない場合が多くみられ、ハード・ソフトが最良であっても介在する人間の技量が不充分では、コンピューター使用の効果を得る事が出来ないが、一方、ハード・ソフト面があまり効率的なものでなくとも、充分に訓練されたスタッフが従事しておれば、効率的な運用・稼動が可能である。
O-2. シュミレーションによる訓練
コンテナターミナル要員の訓練をする事によってコンテナターミナルのサービスレベルを向上させる事が可能である。最近、最もよく用いられている手法はシュミレーションによる訓練である。この訓練では例外的な緊急事態を想定した訓練を行う事が可能であり、現場で発生する例外的な事態の対処方の訓練には効果的である。