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M. 制約要因

 

M-1. 人為的錯誤

コンテナターミナルの建設計画にあったては、人為的な錯誤、或いは判断の誤りが発生する事を考慮しておく必要がある。その為に予期せぬ出来事が突然発生した場合に対応出来る、別の運営計画を準備しておく必要がある。その為には突発的な出来事が発生する事を見越した、コンテナターミナル施設及び管理・運営方式の双方に、緩衝帯を設けておく事が望ましい。

 

M-2. 安全性

H-1で述べたコンテナターミナル内の盗難や火災・水害の様な具体的な事柄ではなく、広義な安全性であり、施設計画や運営計画を策定する時、当該コンテナターミナルが稼動を開始する場合、現実に達成可能な運営水準の効率性を想定しているか否かである。日々の管理・運営の中で、安全性の確保は最も大切な要因といえる。

 

M-3. 検査

コンテナターミナルは、一つの単独社会組織であり、様々な規則を遵守する事が要求される。植物・動物検疫検査以上に手間と時間が掛かる社会悪品(麻薬・武器等)や密航者の発見、その他緊急事態における検査等がある。

 

M-4. コンテナの重量計測

コンテナ船に積載されるコンテナ重量は船舶の安全航行確保並びに、コンテナ自身の重量制限以内に保たれているかを、コンテナターミナルゲートに設置されている重量計器により計測されるが、全てのコンテナの重量を計測しているのではなく、船会社から提供される情報により凡その重量はコンテナターミナルのゲート担当者が把握しており、スポット的に計測している場合が多く、この場合にも人為的な間違いが起こる事を考慮しなければならない。

 

M-5. コンテナターミナル職員の健康管理規則

昼夜を問わず作業を行うコンテナターミナル職員の健康管理も重要な要素であり、多数の国家で労働者の健康維持・管理に関する規則があり、コンテナターミナルではこれらの規則を遵守する義務がある。

 

M-6. コンテナターミナルの荷受・荷渡時間

コンテナターミナルのユーザーにとって、ゲート開門時間は重要な条件であり、ユーザーとしては、積載する船舶の出港時間まで荷受可能である事が望ましいが、しかし、一般的なコンテナ船の揚/積荷役方式は本船側とコンテナターミナル側において入港時に、予め計画された順序に従って進められる為、事前に荷役計画を立案する時点には積載予定のコンテナの内容が判明している事が必要であり、荷受時間を無制限に延長する事は荷役全体の遅延に繋がり望ましい事ではないが、荷受締め切り時間はコンテナターミナルのサービスの中でも基本的な要素であり、ユーザーは締め切り時間の長短でコンテナターミナルを選定する場合の条件となる事がある。

 

 

 

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