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E協定書は、1件の取引(one transaction)にも複数の取引(multiple transactions)にも使用することができる。E協定書は、一件の取引のみに使用する場合も含めて、E取引を行う前に締結されなければならない。次に、E協定書は、当該取引に適用される基本的な規則を決定し、これに第2章が含まれるときは、その履行の条件を決定する。E協定が締結されたならば、その後のE取引に関する通信にE協定書を参照することにより、E協定書によって確立された枠組みを具体化することができる。

 

承諾者は、提案者がオファーした通信方法の中から1つもしくは複数の方法を選択できる。もし承諾者が提案者によって提案されたものよりも少ない通信方法を選択した場合は、提案者と承諾者は、承諾者が選択した通信方法のみを使用しなければならない。

 

E協定書は、次の2つの部分によって構成される。

A. 申込文書(Instrument of Offer)これによって、一方の当事者は、電子的手段により商取引を行う契約関係を結ぶ申込を行い、他の当事者に対して、このような商取引を行うために準備した取引条件を送信するか、またはこの取引条件を利用できるようにする。

また、この申込文書は、最初に提案された取引条件に満足しない相手方当事者によっても使用されうるのであり、かかる当事者は、自分の提案する変更条件を記載して、新しい申込文書を最初の提案者に送信する。

 

B. 承諾文書(Instrument of Acceptance)申込文書に提案されている取引条件が承諾しうるものであるとき、申込文書に提案された取引条件の承諾者によって提出される。

 

両当事者は、上記に替えて、申込文書を送付する前に当事者双方が受け入れ可能なフォームに取引条件を記載して、E協定の内容について交渉することができる。

 

E協定は、申込文書と承諾文書の交換/合致によって締結され、それ以外の形式を要しない。当事者間の合意した内容は2つの文書の交換によって明らかであるから、署名は必須ではない。

 

けれども、これらの文書を記録することに関連して、若干の注意が必要である。2つの文書は、それぞれの当事者によって記録され、かつ保存されなければならない。国によっては、証拠に関する条項および仲裁条項は、署名のある書面を要件とされることがある。したがって、これらの条項について、注意しなければならない。

 

 

 

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