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3.3.2.2 ユーザーと認証機関の間のモデル約款

図2の輸出国と輸入国の上方に4]として示している登録機関、証明機関、認証機関があります。電子商取引では、本人を確認するための電子署名の登録・証明書発行、電子メッセージの真正性・完全性、電子商取引の契約内容(一般取引条件、裏面約款、特別約款など)の登録・証明が必要です。そのようなサービスを提供してもらうために、ユーザーは認証機関、登録機関、証明機関などのTTPと契約を結ばなければなりません。わが国をはじめ諸外国でも、国内法に基づいてこれらの機関が活動をはじめますが、電子貿易取引を展開するために、ユーザーと認証機関の間の協定締結のための国際的なモデル約款が必要と考えられ、このような契約の基本的条項について調査研究を行っています。

 

3.3.2.3 電子商取引のためのモデル行動規範

図2の真ん中に2]として電子商取引のための行動規範(Rules of Conduct for EC)を掲げました。オランダ政府・民間機関の共同開発による「電子商取引に関する行動規範」が欧州連合および国連によって国際的な行動規範として採択するために検討されています。電子商取引に関する法律や条約が整備されるまでかなりの年月を要することが予想されるので、これに代わって、当事者間の協定または契約によって法的枠組みを構築する必要が考えられます。電子商取引のための行動規範は、このような協定や契約の内容を構成する基本的条件の標準化を目的とするもので、これが多くの国際電子商取引に頻繁に使用されることにより、やがて電子商取引に関する国際取引慣習が生成・発達することが期待されます。

オランダでは、1998年の春、オランダ経済省が、電子商取引の分野でオランダを発展させるために「電子商取引に関するアクションプラン」を、またオランダ法務省が「情報ハイウェイに関する立法」と題する政策文書をそれぞれ発表しました。後者の文書では、結論として、伝統的な紙ベースの環境に基づく法律が電子的環境にも主として適用される旨が述べられています。そこで、同国のEDIFORUMとECP.NLの主催とオランダ経済省後援で「電子商取引に関する法的枠組み:自己規制?」と題する会議が98年6月に開催されました。そこで議論された主要な議題は、次の2点でした。1]自己規制のためにどの様な方法を使用することができるか、2]行動規範にどの様な問題点を含めるべきか。

オランダ電子商取引関連団体により、広く業界から寄せられた情報に基づいて、電子商取引に関する行動規範の原案が1999年1月に起草され、これを評価するワークショップが3月に開催されました。これらの成果を踏まえて、昨年、最終版が公表されました。国連CEFACT/LWGは、2001年3月会期に国際的にこれが広く一般に使用されるよう、勧告案を提出することを計画しています。

 

 

 

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