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はしがき

 

1. EDI制度手続簡易化特別委員会は、平成8年度から「流通性書類のEDI化」という課題に取組んできましたが、平成12年度の事業活動として、過去4年間の調査研究を総括することにしました。

 

2. 国連CEFACT第6回総会が2000年3月29〜30日にジュネーブで開催され、国連勧告第5号「インコタームズの略号」、第19号「輸送モードコード」、第21号「貨物形態、荷姿、包装材料コード」および第24号「貿易および輸送のステータスコード」の改訂版が承認され、また勧告第28号「輸送手段タイプコード」および第31号「電子商取引(EC)協定書」が新たに採択されました。CEFACT/LWG(法律問題作業部会)は1999年3月から実質的に活動を開始しましたので、勧告31号はLWGの最初の成果物です。勧告第26号は、EDI取引に関する電子メッセージのモデル交換協定書です。EDIの場合には、各種の標準についてあらかじめ取り決めを行う必要があり、署名のある書面で協定書の作成または変更が要求されます。これに対して、勧告第31号のモデルEC協定書は、企業間電子商取引の当事者が、e-mail、Website、XMLなど、EDI以外の電子的通信手段によって商取引を行う場合に、当事者に対して電子商取引の必要条件を提供することを目的としています。

 

3. 上記のように、本年度の主要活動方針を、流通性書類のEDI化への取組みの総括とすることに決定したので、本年度の報告書は、4年間の調査研究の成果を踏まえて、各委員の執筆による論文を体系的に纏めることにしました。本報告書は、序論、第1部概論、第2部各論、および巻末資料からなっています。まず、序論では、本特別委員会の5年間にわたる調査研究活動の概要および2000年度のCEFACT/LWGの活動を紹介します。

第1部には、1]「流通性書類のEDI化への取組み―電子貿易取引ルールの模索―」、2]「ITインフラと電子商取引」および3]「船荷証券の電子化に伴う法的問題」の3論文を含めました。第2部には、4]「荷主の立場からみた貿易電子化」、5]「EDIと社内業務(実務)」、5]「船会社から見た電子船荷証券に関わる課題」、6]「電子商取引の船会社にとっての実務上の問題点とメリット」、7]税関手続業務におけるEDI化の現状と今後」、8]「銀行からみた電子貿易取引の今後の課題」および9]「損害保険におけるEDI化への課題」の6論文を載せました。巻末には、国連勧告第31号、国連標準メッセージ(UNSMs)の開発経緯一覧(2000年9月現在)および国際機関・国際条約・法令・電子商取引等のリンク先を資料として掲載しました。

 

 

 

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