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表7 JICA運輸・交通セクター・無償資金協力の内容(1990年代実施分)

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出所:国際協力事業団年報資料編1990年代の版より作成

 

B. 無償資金協力(表7参照)

1] 支援内容で多いのは、運輸インフラの建設・改修(道路、橋梁、港湾、空港等)、道路整備用・維持管理用機材供与、訓練センター建設・訓練用機材供与(建設機械訓練、船員訓練、航空管制・保安訓練等)、車輌・船舶供与、建設機械・車両修理工場整備等である。

2] サブセクター別では道路関連案件が圧倒的に多くなっており、所得レベルが相対的に低く且つ道路インフラが全般に非常に遅れている南西アジア諸国、インドシナ3国、アフリカ諸国、中南米諸国、大洋州等に重点的に供与されている。その他の例として、モンゴル、フイリピン、一部の中東諸国下の支援実績がある。

3] 道路に続いて多いのは港湾案件で、大洋州、一部のアフリカ諸国への供与が主体である。空港・鉄道・都市交通関連の案件は僅かである。

 

4. おわりに

運輸・交通セクターに係るJICAの協力実績を概観したが、運輸・交通セクターに係る協力は、途上国の経済インフラ整備、とりわけ人的・物的流動の活性化を促進し、さらには社会経済発展や人々の生活の質の向上に多大な貢献をしてきたといえる。しかしながら、近年では、従来型のハード中心の協力に加えインフラ施設の維持・管理、途上国政府機関の能力・組織の強化、民営化による公共サービスの改善、地方分権の推進等、新たな課題への対応が求められてきている。

この様な変化に的確に応えるため、また途上国の運輸・交通セクターのニーズに合致した協力を効果的・効率的に実施していくために、JICAでは課題別指針を作成することとしている。「課題別指針」の作成にあたっては、途上国における、運輸・交通セクターの現状と問題点や、我が国及び国際的な援助動向をふまえオールJapanの視点でJICAの今後の協力の方向性を示す必要があると思われる。運輸・交通セクターの課題別指針については、近々作成する予定であるので、また機会があれば、本紙でもご紹介することと致したい。

 

参考文献等

1. 国際協力事業団年報 1990〜1999年

2. 運輸交通セクタープロジェクト研究調査案、2000年、国際協力事業団(委託先:パデコ(株))

 

 

 

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