海運業と主要港湾を管理する国営海運会社(VINALINE)。
国営造船会社(VINASHUN)は海上技術安全局の行政と造船業。
道路総局は建設省道路局に該当。
内陸水運総局が内陸河川を使った交通を所管している。
3. ヴィエトナムに対するODA
ヴィエトナムの年間の交通・運輸インフラに充てられる公共事業費は、93%が国外からのODAで、うち、約55%が日本からのODAにたよっている。
ヴィエトナムに対する我が国のODAは1992年のODA再開以来、着実に規模を増大。現在、我が国のODAで大きなプロジェクトでは、道路は18号線、5号線、10号線、港湾はハイフォン港、カイラン港、ダナン港の整備。
4. 開発案件の動向
今後、以下の案件が見込まれる。
・道路・橋梁:国道1号、6号、14号、ホーチミン市-カントー高速道路、カントー橋、紅河橋、バイチャイ橋
・鉄道:鉄道橋 34橋、ハノイ-ハイフォン線、ラオカイ-ハイフォン線、機関車
・都市交通:ハノイ市公共交通、ホーチミン市公共交通
・港湾・海運:南部港湾群、内航港湾システム、内陸水運システム、チューライ特別経済区、大水深コンテナ港、EW港、石炭積出港、管理・運営、港運、内陸倉庫
・船員:人材育成、海事大学、海員学校、マンニング
・海上保安:通信、航路標識、警備・救難、環境、人材育成、組織
・空港:タンソンニャット(ホーチミン)、ダナン、クァンニン
・航空保安:航空保安システム、人材育成、安全
・その他:中部地域観光、統計、気象レーダーシステムの整備
5. パートナーシップ
最近、世銀が途上国における資金の流れを含めた開発協力の全体像を的確に把握し、ドナーが協調して援助効率を高めていくために包括的開発の枠組み(CDF=コンプレヘンシブ・デベロップメント・フレームワーク)を提唱。
特に、世銀がヴィエトナムをCDFのパイロット国にすることを提唱。日本もCDFに協力していく方針。ヴィエトナムでは次々にドナーコーディネーショングループが立ち上がっている。14のセクターに分け世銀、日本、ADB等がバッティングしないようドナーコーディネーションのための会合を開き、援助方針等を調整。ヴィエトナムから日本に案件の要請が出されても「パートナーシップヘの貢献」というような評価項目が追加され、日本以外のドナーの大きな流れと逆行するようなプロジェクトは採択されづらくなるような場合がでてくる。
6. 質疑応答
問:海図作成について
答:海図は殆どない。地図を作成する保安庁の水路部、国土地理院に当たる組織がない。地図が読めない人が殆どであるので地図が出回っていない。あっても30年近く前に米軍が空撮した写真をなぞって作っている地図や米軍が海図を作るときに集めたデータをそのまま使っている海図が殆どではないかと思われる。
問:都市公共交通の課題について
答:特にハノイ、ホーチミンでは都市公共交通の整備は重要。バイクは日本の倍の価格、一家に3、4台もある。バイク3台の価格で車1台購入出来るようになってきた。車は今後増加する事が予想される。そうなる前に、都市公共交通の整備が必須である。
ハノイ市人民委員会から3年程前にバスシステム開発調査の要請があったが、メンテナンスの問題等で不採択になった。
ホーチミンでは国鉄の既存路線プラス、ショートカットする新線に駅をつくり、通勤路線として利用しようという案と国鉄とは別に市内に地下鉄をつくっていこうという案がある。
(文責 事務局)