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Dr.Chinh

前に述べたように、交通基金と公共交通支援基金の役割は、公共交通の問題を解決するために非常に重要であると思う。2輪車への課税に関しては、我々の調査によると、他の多くの国々で損害をおこした人が負担するという原則を導入していることがわかった。HCMCでは2百万台のオートバイは多くの公害を発生させている。しかし、公害テストの対象でもなければ、全く公害に対して支払ってはいない。2年前、HCMCの交通公共事業局は環境税の導入を提案した。しかし、その時このような問題は十分理解されず、市議会(City People Council)の承認を得られなかった。最近の事業で、類似提案がされた。他の税金は別として、様々な問題を引き起こしているオートバイに対して何らかの課税があるべきである。短期的には、ヴィエトナムの人々がこのような税金に慣れていないこともあり、車両に対しての公害テスト料金の形式で集められるべきである。しかし我々の計算によると、この財源からの税収は1年に数百億ドンに過ぎない。それはODA、ソフトローン、また南サイゴン道路の建設に適用された他の特定手法など、他の財源も重要であることを意味する。ひとつの財源に頼ることはできないのである。

個人の車両の所有と利用を急に減らすことは非常に難しい。積極的なキャンペーンを実施し、公共交通の必要性と重要性を訴える必要がある。これは、マスメディア、特にテレビに頼る仕事である。

 

家田教授

今までの発言に付け足すとすれば、都市におけるマストランジットの大きな利点に焦点を合わせるべきだと考える。最大の鍵は、マストランジット整備は土地の価値を上げることである。そしてその地域での建物あるいは商業センターなどの建設投資を魅力的にするのに非常に有用である。投資家から資金を調達できれば、非常に助かるであろう。ヴィエトナムに大きな投資家がいなくても、中国、香港、日本等の周辺国には沢山の投資家がいる。彼らが魅力的であると感じれば、投資に来るであろう。

時間が限られているので、質疑をオープンにしたい。

 

Prof./Dr.Nguyen Viet Yen, ハノイ運輸大学HCMC分校

我々がマストランジットを使わず、個人交通モードを選択する理由を私なりに述べたい。人々が2輪車の交通手段を好む理由は、より活動的で、より便利で、より早く、いっそう経済的であるからである。公共交通はこのような条件を満たすことができない。人々も選択しないのである。以上がマストランジットシステム整備の最重大障壁であると考える。そして障壁を崩すためには、以下のことを満たす必要がある。

第一に、バス、トラム、地下鉄などの交通手段に関わらず、路線を適切に合理的に系統立てるべきである。利便性を考慮した適切なネットワークを整備することが必要である。

 

 

 

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