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家田教授

もし現在のドライバーが自動車を使うなら、問題は非常に大きいであろう。現状では、事態はそれほど深刻ではないと思う。私は将来、自動車利用の習慣をマストランジットに変えることより、オートバイ利用の習慣をマストランジットに変えることの方がより容易であると思う。

 

岩田博士

将来、もし我々が自動車利用に関して、何もしないのであれば、HCMCの状況はバンコクの状況に陥り、更にそれより悪化するであろう。オートバイの利便性は高い。しかし、交通安全面では悪化している。交通事故のおよそ70-80%にオートバイが関与していて、人的損害となり、社会的コストを発生される。オートバイの所有と利用に対しての規制は、非常に必要であると思う。夫婦が1台のオートバイに一人あるいはそれ以上の子供を乗せることは、その家族だけが危険であるだけでなく、他の人々にも非常に危険である。その上、オートバイ利用者は社会経済的費用を全て支払っているわけではない。現在、人々は容易にオートバイを妥当な価格で買うことができ、ガソリンは安く、多く支払ってはいない。しかし、オートバイが現在、交通渋滞の主な原因であるので、渋滞コストに対してオートバイ利用者は負担すべきである。オートバイ利用者からの資金は、公共交通の建設費や整備費用に充てられる。この費用負担は、我々が考慮すべき要因の一つである。

 

家田教授

既にヴィエトナムで燃料に対して目的税が課せられているかは知らない。しかし現在、日本のような他の国でもある種の特定目的税が存在する。この意味でも、税収を道路建設や他の目的のために特定して支出することは可能である。

 

岩田博士

ヴィエトナム政府は、インフラ建設コストが大きいため、道路建設基金としての目的税を導入しようとしている。その資金源は燃料からであり、まず、道路の保守に利用されその後、インフラコストをカバーするために使われる。現在でも進行中である。しかし、HCMCでは、オートバイで税金を増やすことは難しいと思う。皆が所有しているからである。しかし、HCMCで約4万台の乗用車に適用することは可能である。裕福な人々、会社あるいは政府だけが乗用車の購入が可能である。今は、オートバイではなく、乗用車に高い課税をする時期である。もちろん、すぐこの財源から多くの税収を期待することができないが、5年あるいは10年後、乗用車利用がより増加するとき、高い税収が可能となる。以上が、マストランジット整備の資金調達法に関する提案である。

 

 

 

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